編集長の目

篠田編集長が「マス読メールマガジン」に連載しているコラム。就職活動について色々なことを読者と一緒に考えていきます。感想も受け付けております。

 NHKに応募しようという人は多いと思います。同局の試験で重要なのが「2・5次面接」です。ディレクターなど特定の職種志望者だけを対象に2次面接と3次面接の間に実施されるので「2・5次面接」と呼ばれるわけです。内容は「クローズアップ現代」などを短く編集した映像を見て、集団討論を行うものです。映像を見た感想や、自分ならどこをどう工夫するかなどを話し合います。番組作りの適性を見るものですが、重視されている選考です。よくテレビ志望で、どういう準備をすればよいでしょうかと質問する人がいますが、こんなふうに実際の映像や番組を観て、考えたり、議論することをお勧めします。よく「メモを取りながらテレビを見ろ」と言われますが、普段は何気なく「ながら視聴」をしている人も、試験に備えるなら自覚的にテレビを見る必要があります。録画をしたり、NHKでいえばアーカイブの番組はぜひ見ておきましょう。志望者というのは、これまで視聴者だったものが作り手をめざすということで、その作り手としての適性を面接ではアピールするわけです。だから、自分ならこう作ると考えながらテレビを自覚的に見て下さい。

本題に入る前に、マスコミ志望の皆さんにぜひ一緒に考えてほしい話を紹介します。ひとつは出版不況で書店や出版社が次々と潰れて行っている現状についてです。出版志望の人は下記ブログをぜひ読んで下さい。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20160227-00054839/

もうひとつはテレビ界をめぐる大きな問題です。先日、著名なキャスターたちが会見を開いて訴えたこととは何なのか。下記ブログにまとめました。http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20160302-00054954/
「マス読」はただ単に就活のやり方を伝えるだけでなく、メディアをめぐるいろいろな問題を一緒に考えていこうという姿勢が特徴です。ぜひこういう問題に関心を持って下さい。月刊『創』で毎回特集しています。

さて本題。前回のこういう志望動機ではダメという話に「え?」と思った人も多いでしょう。人事部が敢えて注意するのは、ダメであるにもかかわらず、その志望動機を書いてくる人が多いからで、実はそのダメな志望動機とは、かなりの人にあてはまってしまうのです。例えばNHK志望で「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」という志望動機を書く人は実はかなり多い。「NHKは視聴率を気にせず○○のようなことができるから」という志望動機ですね。この○○には、友人と取り組んできた性的マイノリティの問題とか、自分の祖母を見て関心を持った認知症の問題とか、それぞれ関心あるテーマが入るわけです。
断っておきますが、「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」というのは間違いではないのです。実際、民放ではドキュメンタリー志望と言ったとたんに「君、そういう番組は我が社では放送枠がないよ」と言われたりしますが、
NHKにはNスぺを始め、そういう枠がたくさんあります。
では気を付けるべきポイントは何かというと、一見地味に見えて民放では難しいようなテーマを「視聴率は無視してよい」のでなく、そういうテーマをこそ多くの人に見てもらうにはどうしたらよいか考えることです。自分にそれができることをアピールするのが志望者に求められていることなのです。ダメと言われた志望動機とちょっとした違いに見えるのですが、この違いが大事なのです。
この話、次回もう少し続けましょう。
 

3月に入って就活戦線は一気にスタートし、現在は毎日、ESを書く作業に追われている人が多いと思う。そういう人のために、志望動機に関する話を書いていこう。特別な指摘ではなく、『マスコミ就職読本』第1巻で採用担
当者が言っている内容だ。採用担当者が言っているのだから、これほど確実なことはない。
ESで大事なのは志望動機と自己PRだとよく言われるが、志望動機で多くの人が語る内容にはある程度共通点がある。例えばアナウンサー志望の場合で多いのは「私の笑顔でみなさんに元気を与えたい」という志望動機だ。実はこの志望動機ではダメだと『マス読』入門篇P123でTBSアナウンス部の岡田さんが書いている。
また講談社の人事部副部長が「子供の頃から本が好きで、本に携わる仕事をしていきたいから志望しました」という志望動機に入門篇P102でダメ出ししている。
さらにNHKの人事の宮本さんが、「NHKは視聴率を気にしない」という人が多いがそんなことはない、とP90で書いている。実はNHKの志望動機でも「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」というのを挙げる人が多い。
 一体、これらの志望動機はなぜダメなのか、何回かにわたって説明していこう。
それと昨夜のマス読ライブを見ていて感じたのだが、例えば新潮文庫がパンダのYONDAのキャラクターをやめてどうしようとしているのか、という質問が出た。講師の高橋さんが新潮文庫の編集者なので出た質問だが、この2年ほど、新潮社がどんなふうに考えて今のキャラクター「キュンタ君」に行き着いたか、これについては『創』出版特集に書いてある。また昨夜講師だった小学館の嶋野さんが『CanCam』黄金時代の編集長なので、その後どうして同誌は低迷したのか質問した女性がいた。これもなかなか良い質問だが、これについても『創』出版特集を2年分読むとヒントが書いてある。同じジャンルの『JJ』がやはり部数急落で誌面刷新を図っている経緯も参考になる。
こうした事柄についてはぜひ『創』を読んでいただきたい。書店でバックナンバーを取りよせるのがめんどうなら、Webマス読から会社別の5年分の記事が読める。試し読みもできるのでトライしてほしい。光文社の2015年記事の冒頭が『JJ』リニューアルの話だ。
http://www.tsukuru.co.jp/masudoku/tettei.html
まもなく選考が始まる。志望会社の研究はすぐに始めてほしい。

前回に続いて、『マス読』来年度版の取材の過程で聞いた話を紹介していこう。出版社の面接官が揃って口にするのが「あまり本を読んでいない人が多い」という嘆きだ。一応志望書には本や雑誌が好きだと書いてあるのだが、「月に何冊くらい本を読んでいるの?」という質問に、1冊か2冊という答えが多く、しかもそれが少ないという認識を持っていないというのだ。就活中で忙しいという事情はあるにせよ、学生諸君が本や雑誌をあまり読まなくなっているのは確かだろう。たぶんスマホに時間をとられるようになっていることの反映だろうが、これはなかなか深刻な問題かもしれない。出版界は今、本当に本や雑誌が売れずに深刻な状況に至っている。『火花』のように特定の本が突出して売れるが、それ以外は全く売れないという二極化がますますひどくなっている。これから出版をめざす人にはできるだけ本や雑誌を読んでほしいというしかないが、『火花』に象徴される「メガヒット現象」についてはヤフーニュースに記事を書いたのでぜひ読んでほしい。(篠田)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20150812-00048429/

『マスコミ就職読本』来年度版のための取材を始め、各社の採用担当者に話を聞いている。その中から興味深い話を順次紹介していくことにしよう。今回はまず、文藝春秋の名物試験「人物説明」の今年の結果だ。この試験は、人物50人についての説明を読んで、別に掲げられた150人の人物名から選択していくというものだ。今年最も正解率が高かったのが『火花』の作者として又吉直樹さんの名前を選び出すというもの。正解率95・6%だからほとんどの受験者が正解だった。
逆に言うと、文藝春秋を受けるのに又吉さんを知らないというのはどう考えてもまずいから、不正解が17人もいたことのほうが驚きかもしれない。ただ、その17人の名誉のために言っておけば、試験が行われたのは芥川賞受賞発表の少し前。つまり今ほど大きな話題になっていなかった時期だ。とはいっても、知らないのはやはりまずいのだが。
正解率が高いのはその後順に、アギーレ、マッカートニー、山田孝之。驚いたのはNHK会長が籾井勝人さんだと選択できなかった人が35・8%いたこと。マスコミを受けるのに、これってどうなの?と思ってしまうが、さて、この続きは次回のメルマガでお伝えしよう。

 電通や博報堂などの広告会社も、TBSなどの放送局も、過去の試験内容についてはいっさい公表していません。『マスコミ就職読本』は独自取材によってその内容を掲載しているので、ぜひ読んでおいて下さい。例えば電通は昨年度まで3次面接とセットで小論文テストが行われています。昨年度のテーマは「小中学生にスマートフォンを持たせることの是非について」と「電通を志望しない学生に電通を志望してもらうにはどうしたらよいか」でした。いかにも広告会社らしいテーマです。一昨年は「オリンピック誘致反対派に対し、誘致のメリットを論理的にまとめて説得せよ」でした。
そうした過去に出題されたテーマを見ると、ある種の傾向がうかがえます。試験対策はそんなふうに、志望会社でどんな試験が行われ、どういう内容が出題されるか知ることが第一歩です。『マス読』に主な会社の試験内容は載っていますので、ぜひご覧になってください。

 電通や博報堂などの広告会社も、TBSなどの放送局も、過去の試験内容についてはいっさい公表していません。『マスコミ就職読本』は独自取材によってその内容を掲載しているので、ぜひ読んでおいて下さい。例えば電通は昨年度まで3次面接とセットで小論文テストが行われています。昨年度のテーマは「小中学生にスマートフォンを持たせることの是非について」と「電通を志望しない学生に電通を志望してもらうにはどうしたらよいか」でした。いかにも広告会社らしいテーマです。一昨年は「オリンピック誘致反対派に対し、誘致のメリットを論理的にまとめて説得せよ」でした。
そうした過去に出題されたテーマを見ると、ある種の傾向がうかがえます。試験対策はそんなふうに、志望会社でどんな試験が行われ、どういう内容が出題されるか知ることが第一歩です。『マス読』に主な会社の試験内容は載っていますので、ぜひご覧になってください。

 オウム事件から間もなく20年。松本死刑囚の子どもたちは6人いるが、

末の二男が今年成人した。無差別殺人事件の首謀者の子どもという運命を

彼らはどう受け止めているのか。自殺未遂を図った四女の話などをまとめた

「オウム麻原元教祖の子どもたちが希望する"普通の生活"とは何か」。

ヤフーブログで100万アクセス突破の大反響。ぜひご覧いただきたい。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20141206-00041272/

雑誌が就職特集を掲載し始めた。
少しずつ就職シーズン到来ということなのだろうが、今年気になるのは、
準備が進んでいる人とそうでない人との差があまりに大きいことだ。

採用側はインターンシップを始め次々と企画を展開し、
採用担当者がツイッターやフェイスブックで盛んに情報を流しており、
それについている学生も多いのだが、大学によっては就職モードが皆無
というところもある。

昨年までと違って、その格差が著しいのだ。
たぶん来年度の採用戦線がどうなるのかわからないので、
大学側も対応しかねているのが実情なのだろう。
この状況の結果がどうなるかというと、
来年2~3月になって一気に就職戦線が動き出した時に何の準備もできておらず
慌てる学生がたくさん出そうな感じなのだ。

本当はこの3カ月ほどを利用して、
マスコミの仕事を研究したりOBに会ったりすべきなのだが、
それなしに一気に本番突入、しかも短期集中決戦となると、対応できずに
途方に暮れる学生が大量に出そうだ。

このままで本当に大丈夫なのかという感じである。
就活とは、実際にESを提出する前に、実はやるべきことがたくさんある。
自分が将来どんな職業をめざすのか考えるには十分な時間が必要だ。

実際に働いている人の話を聞きに行くとか、
そういう活動は今の内にやっておかないと、試験が始まってからでは間に合わない。
大丈夫なのか、来年度の就活戦線、という感じである。

『週刊現代』『フライデー』が女性の実名・顔写真入りで報じているが、
日本テレビアナウンサーの内定を取り消された東洋英和女学院の4年生女子が、
同局を相手に提訴。その第一回弁論がきょう東京地裁で開かれた。予定通り
就職させてほしいと訴えた裁判だが、大手マスコミでは前代未聞だろう。
 この騒動は、いろいろな裏事情を公にしてしまった。一番大きなものは、
彼女が内定を得たのが昨年9月だったことだ。日テレはこの間、アナウンサー
については、試験をやった形跡がないのに内定が出ているので、恐らく夏の
インターンシップ「日テレアナウンスフォーラム」受講者に内定を出して
いるのでは、と言われていた。それがこの騒動でばっちり証明されてしまった
わけだ。訴えた本人によると、アナウンスフォーラム終了の2日後に呼び出し
を受け、上級セミナーを受講、その後健康診断、役員面接を受けて昨年9月中に
内定が出されたという。
 その後、彼女は学生時代に知人のスナックでバイトをしていたことを気に
して人事担当者に相談。人事部は問題ないと判断したらしいのだが、会社の
上層部にあげたところ、今年の5月になって「クラブホステスとしての就労
はアナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」と内定を取り消され
たのだという。どうも、以前、局アナの夏目三久さんが週刊誌に騒がれて
退社騒動になったことが会社側の頭にあったらしい。週刊誌ネタになるような
事態は避けたいと判断したようだ。ちなみに日テレは、内定取り消しをした後、
今年8月にいきなりアナウンサーを追加募集し、内定者が辞退したらしいと
噂になっていた。この裁判、今後どうなるのか行方が注目される(篠田博之)