月刊『創』 2月号1月7日発売!
【特集・出版社の徹底研究】
◆〈座談会〉一極集中化が進む出版界の行方
植田康夫×清田義昭×松田哲夫
◆社長交替で加速する講談社の新路線
丸山昇
◆文芸書ヒット続出で小学館に勢い
久保隆志
◆ジャンプブランドで集英社の攻勢
篠田博之
◆“厳冬”新潮社の反転攻勢への準備
長岡義幸
◆書籍・雑誌ともに文藝春秋の堅調
渡邉一樹
◆光文社、女性誌好調で黒字に転化
宮田敦文
◆マガジンハウスの新たな取り組み
篠田博之
◇北九州連続監禁殺害事件緒方純子被告からの手紙
豊田正義
◇緒方純子被告から本紙編集部に届いた手紙
◇ “オフレコ破り”批判の大問題 田中防衛局長暴言報道の検証
浅野健一
◇鈴木宗男氏の仮釈放に影落とす検察の存在
今西憲之
◇ぢぢ放談
番外編・骨折なんて知らない
永六輔×矢崎泰久
ほか
『創』の豪華連載執筆陣!
渡辺文樹監督の映画ポスターなどを公安が押収!の現場写真公開
2011年11月26日20:07 創
11月24日の深夜、「天皇伝説」などで知られる渡辺文樹監督の奥さんから突然電話。今、渡辺監督が公安に捕まり騒動になっているというのだ。自主上映の映画のポスターを街中に自分で掲出するのが軽犯罪法違反だとして警察とトラブるのは毎度のことで、抵抗すれば逮捕されるのだが、監督側も慣れているから心配無用と思っていたが、今回はポスターなどを大量押収されてしまったらしい。その押収時の現場写真と、押収品目録のコピーを監督が送ってきたので公開しよう。ポスターなどを押収のためにひもで結んでいる公安警察の姿が写っている。また公安の事情聴取を受ける監督自身の写真もある。逮捕された経験も豊富な渡辺監督だから、これくらいでめげることはないだろうが、上映を妨害しようとする公安警察の執念も相当なものだ。
無差別殺傷事件の連鎖をどうやって断ち切るか〜マツダ事件被告と接して
2011年11月24日21:27 創
「殺すのは誰でもよかった」
無差別に通りがかりの人を殺傷し、逮捕後そう供述する、そんな事件が目につく。典型は2008年の秋葉原事件だが、昨年6月に広島市のマツダ工場で起きた事件もそうだ。発売中の『創』12月号に手記を掲載したマツダ事件・引寺利明被告とこの3カ月間手紙をやりとりしながら、両事件の共通性に思いをはせることが多い。
引寺被告自身、秋葉原事件を参考にしたと語っているくらいだから共通性が多いのは当然だが、彼が語っている犯行の態様でなく、一番共通しているのは、その個人的な動機と犯行の凄惨さとのあまりにも大きな乖離だ。まさに「短絡」なのである。工場に乗り込んで無差別に人をはねたというマツダ事件は、結果的に死者が一人だったため、秋葉原事件ほど大きなニュースにならなかったのだが、手記で引寺被告が書いているように、本当はもっと多くの人を殺傷するつもりだった。死者の数で報道の大きさを分けているのはマスコミの単純思考によるもので、マツダ事件と秋葉原事件の共通性については、もっと目が向けられてよいと思う。
引寺被告も派遣社員として様々な職場を転々とし、自ら「しょせんワシは負け組じゃ」と口にしていた。生活保護を受給していた時期もある。事件の2カ月前に期間工としてマツダで働いていた時に、他の従業員に不快な思いをさせられ、それを恨んで犯行に及んだというのは、秋葉原事件の加藤被告が事件直前に、自分の作業服を隠されたと誤解した「つなぎ」事件とよく似ている。加藤被告の場合は、それはきっかけに過ぎず、本当の動機は、ネットで嫌がらせを受けたことへの報復だったというわけだが、いずれにせよ、その個人的動機と、無差別大量殺人という事件の重大性とが、常識では結び付かない。
東電OL事件現地調査に参加しました
2011年11月21日20:27 創
11月20日、再審請求が行われている東電OL事件についての集会と現地調査が行われました。集会の後、事件現場に行ってみるという現地調査には約30人ほどが参加したのですが、再審をめぐる動きが注目されているためテレビカメラも何台か同行しました。現場周辺の渋谷区円山町はラブホテル街なのですが、ぞろぞろと通りを歩く一行に、ホテルに来たカップルたちも驚いたのではないでしょうか。
事件からもう10年以上たっているのですが、殺害現場のアパートと、逮捕されたゴビンダさんが住んでいたアパートはほぼ当時のままでした。写真で見るとわかるように、両方のアパートは隣接しており、ゴビンダさんが女性を殺害後、施錠もせずに現場を立ち去り、逮捕されるまで10日も隣のアパートで暮らしていたというのが不自然であることはすぐわかります。この事件は、1審は無罪、2審で有罪に逆転するのですが、今年に入って新たなDNA鑑定により、確定判決が大きく揺らいでいます。しかも、当時検察側が隠していた被害女性の体に付着していた唾液の血液型がゴビンダさんのものでなかったことも明らかになり、冤罪であったことが明らかになりつつあります。
今朝7月31日付の朝日新聞が生活面で創出版刊『負けないで!』の著者・小笠原恵子さんを大きく報道しました。直近の試合で眼底出血したことでもわかるように、女性でプロボクサーになるということ自体大変なのに、そのうえ聴覚障害で耳が聞こえないという困難を努力によって乗り越えたのが小笠原さんです。小中学校時代はいじめにあったり、不登校に陥ったり、高校時代は親や教師に反発して停学処分を受けたりもしました。逆境のなかで培われたハングリーさが、彼女をボクシングに向かわせたのだと思います。「耳の聞こえない女性がプロボクサーなどとんでもない」と門前払いされながらも、プロへの道をあきらめず、昨年、念願のプロとしてリングに立ったのでした。
決してあきらめずに可能性に挑戦していこうとする小笠原さんの勇気に共感し、彼女の生き方を多くの人に知ってもらおうと出版を企画したのは今年2月のことでした。彼女は不登校で中学3年の時はほとんど授業に出ていないのですが、今回、出版を機に、かつての教師と再会するなど、著者にとっても本を出すのは自分を見つめ直す作業でした。また。彼女の家族は妹も聴覚障害ですが、その家族と半年間つきあったことで、編集者としてもいろいろなことに気づかされました。
これは聴覚障害者の間では常識らしいのですが、子どもが聴覚障害だとわかった時、まず母親がしたことは、家中の家具に名前のカードを貼って、「物には名前がある」ことを教えることでした。また小笠原さんに本などを送る時、宅急便の送り状に電話番号を書けません。彼女の家族は両親とも共働きで、姉妹が家に居ても電話に出られないからです。我々は想像力を働かせないと、聴覚障害の人たちの立場に立って物を考えることができないのですが、そういう想像力を働かせることは我々にとってすごく大切であることを気づかされました。
耳の聞こえない人がどうやってプロボクサーとしてリングで闘えるのか。興味深いそのことはぜひ本を読んで把握して下さい。きょうの朝日新聞の記事でも書いていますが、「音の振動を全身で感じる」ということなのですね。ちなみに小笠原さんをプロデビューさせたジムの佐々木会長も視覚障害者です。小笠原さんは、この会長に大きな影響を受けたのです。いろいろなことをかんがえさせてくれる本『負けないで!』をぜひ多くの人に読んでほしいと思います。小笠原さんについては、テレビドキュメンタリーや映画の企画も既に出ています。
ISBN 978-4904795095
2011年5月16日発行
定価 1,575円
この数年間、日本社会の格差拡大を背景に、ワーキングプアと呼ばれる貧困層の増大が大きな社会問題になっています。この問題の象徴的存在といえば、湯浅誠氏と並んで、雨宮処凛さんが第一人者です。ゴスロリファッションという独特のいでたちもあって注目されていましたが、この1〜2年は厚生労働省の研究会の委員に任命されるなど、貧困問題のシンボルになりつつあります。
本書は、その雨宮さんが月刊『創』で3年間連載してきたものをまとめたもので、貧困問題の渦中で雨宮さんが奮闘してきた激動の日々のドキュメントです。それは同時に、この何年かの日本社会のドキュメントでもあります。









