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皇室タブー
篠田博之(『創』編集長)
定価:本体1500円+税
ISBN 978-4-904795-58-3
皇室タブーを初めて正面から取り上げた衝撃の書!1961年、右翼少年による刺殺事件が出版界を恐怖に陥れ、深沢七郎さんの小説「風流夢譚」は封印された。その後50年を経て、封印は解かれつつあるのだが、果たして出版界は皇室タブーの呪縛から逃れられているのだろうか。皇室を扱った表現がその後も回収や差し替えにあっている現実をたどることで何が見えてくるのか。改元と天皇の代替わりが単なるお祭り騒ぎだけで終わろうとしている現在、象徴天皇制とは何なのか、改めて考えてみたい。
《主な内容》
「菊のタブー」とは何か/「風流夢譚」封印と復刻 /「パルチザン伝説」出版中止事件/
『新雑誌X』襲撃事件/講談社『ペントハウス』回収事件/天皇コラージュ事件/天皇Xデー記事で『創』へ街宣/『週刊実話』回収と『SPA!』差し替え/美智子皇后バッシング騒動/美智子皇后「失声」から銃撃事件へ/『経営塾』への猛抗議と社長退陣/『噂の眞相』流血事件/封印された「皇室寸劇」/渡辺文樹監督と「天皇伝説」/『プリンセス・マサコ』出版中止事件/『WiLL』侵入事件と右派の対立/封印されたピンク映画/秋篠宮家長女結婚騒動と象徴天皇制
《目次》
序章 「菊のタブー」とは何か
国会図書館でも欠本の『女性自身』/『SPA!』猪瀬直樹記事が全面回収に/回収の理由を伏せる独特の「お詫び文」/「菊のタブー」と皇室報道
第1章 「風流夢譚」封印と復刻
出版界戦後最大のタブー小説が復刻/右翼少年が社長自宅で家人を殺傷/「風流夢譚」の背景と3・11後の日本の類似性/問い合わせ先を非公開に/タブーを支える言論・表現側の自己規制
第2章 「パルチザン伝説」出版中止事件
「天皇暗殺」小説と報じた『週刊新潮』/出版社の社屋前で右翼団体が「殺す!」と絶叫/99メートルの敗北と1メートルの前進/天皇の顔を汚したと右翼団体が抗議
第3章 『新雑誌X』襲撃事件
連日の激しい攻撃で重傷者も/東郷さんも襲われ、肋骨骨折の重傷/「半殺しにしろ!」と指示した
第4章 講談社『ペントハウス』回収事件
講談社正門に並んだ右翼街宣車/その場で『ペントハウス』10月号回収決定/広告主に個別攻撃でついに謝罪文/『フォーカス』に載った一枚の写真
第5章 天皇コラージュ事件
新作の映画にも昭和天皇が登場/右翼の街宣車52台が全国から結集/富山県立図書館の図録を公開初日に破り捨て/沖縄の美術展でも出展を拒否される/大浦作品に登場する昭和天皇の意味
第6章 天皇Xデー記事で『創』へ街宣
大手マスコミのXデーマニュアルを掲載/8台の街宣車と40人以上の右翼/広告スポンサーへも攻勢/事件はテレビ朝日へも飛び火/翌月号に編集部の見解を表明
第7章 『週刊実話』回収と『SPA!』差し替え
「ご成婚」翌日に『週刊実話』回収/回収理由については社内にもかん口令/『SPA!』「ゴーマニズム宣言」が丸ごと差し替え/皇室そのものへのパロディは許されるのか?/殆どの場合、マスコミが自主規制してしまう
第8章 美智子皇后バッシング騒動
後の雅子妃叩きの原型といえる騒動/偶然とは思えない記事の符合/『宝島30』で勢いづいた皇后バッシング/反響を呼んだ「皇室の危機」の内容/『週刊文春』7週連続のキャンペーン/『週刊文春』vs『週刊朝日』の対立/守旧派vs改革派のメディア代理戦争
第9章 美智子皇后「失声」から銃撃事件へ
マスコミ批判の直後に倒れ、「失声」/宮内庁の抗議に対し謝罪/記者会に配られた宮内庁の反論/宮内庁の「広報態勢の強化」とは.../宝島社と文藝春秋に銃撃事件
第10章 『経営塾』への猛抗議と社長退陣
二十数団体の右翼が波状的に抗議行動/抗議への回答文にうっかりミスも/平身低頭に右翼側も一時手詰まり/直前に決まったパーティー中止/全国紙での謝罪と社長退陣/右翼側の要求は『経営塾』の廃刊/街宣車60台の抗議、企業側にも様々な波紋
第11章 『噂の眞相』流血事件
編集室を2人の右翼が訪れた/休刊要求を断るといきなり暴力/お見舞いとともに事件後も脅迫電話が/波紋を呼んだ宮崎学さんの提言/ロフトプラスワンで事件について討論/日本青年社に直撃取材/「話せばわかる」はマスコミの誤解?/真相はケアレスミス!?
第12章 封印された「皇室寸劇」
「不敬」ぶりを煽った『週刊新潮』記事/記事を受けて右翼団体が一斉に抗議行動/『週刊金曜日』の見解と劇団「他言無用」の三度の謝罪/『週刊新潮』が右翼を煽った前例
第13章 渡辺文樹監督と「天皇伝説」
上映会に右翼と公安が押しかける/公開直前に公安により逮捕/大騒動となった『天皇伝説』横浜上映/使用中止決定には裁判所へ仮処分申請/ロフトプラスワンであわや流血の激論/街宣活動も「言論の自由」の範囲内?
第14章 『プリンセス・マサコ』出版中止事件
出版中止が発表された『プリンセス・マサコ』日本語版/著者と出版社の間に生じていた齟齬/東京駅での罵声と雅子妃バッシング/雅子妃バッシングに医師団から強い抗議
第15章 『WiLL』侵入事件と右派の対立
『WiLL』侵入男性が公安部に現行犯逮捕/抗議の対象となった二人の対談内容は/右翼の間でも様々な受け止め方/近年目につく右派陣営の内部対立
第16章 封印されたピンク映画
新聞広告が異例の黒塗りで話題に/大蔵映画の本社と劇場、さらには映倫にまで街宣が/「観ないで中止要求はおかしい」への反論/問題の映画はどんな内容だったのか/ピンク映画をめぐる産業的変化/公開直前に内部から危惧する声が...
終章 秋篠宮家長女結婚騒動と象徴天皇制
流れが変わった契機は『週刊女性』記事/騒動になった「眞子さまの反乱」/週刊誌報道に皇室が異例の見解を発表/小室圭さんの留学は「結婚への諦め」?/日本と異なるアメリカメディアの報道/問題を提起した「佳子さまの乱」/象徴天皇制をめぐる本質的な問題
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