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編集長の目

性表現規制の条例改定


 この1週間ほど、都条例改定問題に忙殺された。15日のマンガ家らの記者
会見をきっかけにマスコミが一斉に報道を行い、出版業界団体などが連日反
対声明をあげていった。私は日本ペンクラブの言論表現委員会副委員長も務
めており、この件については声明の起草にも関わることになった。1~2日
かけて文案を練り上げて18日に発表。この問題でペンクラブが声明を出すこ
との意味は大きく、きょうの新聞でも紹介されている。

 先週までは知らない人が多かったこの問題だが、わずか1週間でここまで
議論が大きくなったのは異例といえる。

 流れを変えたのは15日のマンガ家らの会見と、その後開かれた集会に、
100人の会場に400人近くが押し掛けるという事態だった。危機感を持った人
たちの熱気が事態を動かすという、まさにこれが民主主義だ。

 都議会には16日、2000件のメールや電話があったという。表現の法的規制
というデリケートで大事な問題が、広い議論に供せられることもなく議会で
決まろうとしていることに多くの人が一斉に声を挙げたせいで、改定案の成
立が土壇場で止まるという異例のケースだった。

 一昨年の映画「靖国」上映中止事件の時もそうだが、様々な表現者が声を
あげ、議論が拡大すると事態を動かすことができるという意味では、相当ア
ブナイ状況になっている日本の民主主義もまだ死滅したわけではないことを
実感させる。

 今回の騒動は、これから表現やメディアの仕事に関わりたいと思っている
人たちには重要な問題だ。この1週間の経緯については『創』ブログに連日
書き込みを行い、近々専用サイトを立ち上げる予定だ。ぜひご覧いただきたい。

「創」HP
http://www.tsukuru.co.jp/
月刊「創」ブログ
http://www.tsukuru.co.jp/tsukuru_blog/

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