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篠田博之の「週刊誌を読む」

能年玲奈さんと所属事務所の対立激化で『週刊文春』提訴も

NHKの連ドラ「あまちゃん」でブレイクした能年玲奈さんと所属事務所の騒動については以前書いた。さる6月9日、その騒動に関する『週刊文春』の記事に対して、能年さんの事務所レプロエンタテインメントが名誉毀損訴訟を起こした。この騒動、わかりにくいので、改めて整理しておこう。

根っこにあるのは能年さんと事務所の対立だ。多くの芸能マスコミの報道は事務所側に依拠したものだったが、『週刊文春』は能年さん側の主張を報じた。事務所と能年さんの対立が、芸能マスコミの代理戦争となって繰り広げられたと考えればわかりやすい。

もともとは4月26日付東京スポーツが「能年洗脳騒動 無断で事務所を設立」という記事をぶちあげたのが発端だ。能年さんが自分で事務所を設立したのを知った事務所が、背後に彼女をそそのかしている女性がいて、能年さんは洗脳されているのだ、と考えた。その情報に依拠した芸能マスコミが一斉に行ったのが、四月下旬の能年さんの「洗脳」報道だった。

それに真っ向から異を唱えたのが『週刊文春』5月7・14日号「能年玲奈本誌直撃に悲痛な叫び『私は仕事がしたい』」だ。事務所のマネジメントや処遇にいろいろな不満を持っているという能年さん側の主張が詳しく書かれていた。今回、事務所側が提訴したのは、その記事だ。  

その後、その記事に対抗するかのように事務所側の言い分をまとまった形で報じたのは『週刊ポスト』6月5日号「能年玲奈『もう気が狂う!』暴走ヒステリー現象をスッパ抜く」だ。能年さんの意向に現場が振り回され、女性マネージャーが体調を崩して長期休養に入るなどしたと書かれている。能年さんからは既に昨年、事務所を辞めたいという意向が伝えられたが、二〇一六年まで契約が続くことになり、処遇改善など弁護士を立てて双方の協議が続いているという。

能年さんも事務所側も話し合いが継続中なので正式なコメントが出せない。週刊誌は情報源を明記せず、これが真実だとそれぞれの立場で報じている。いったいどの記事が正しいのか、読者は困惑しているかもしれない。

 

 

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