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篠田博之の「週刊誌を読む」

週刊誌を読むの最近のブログ記事

 「落選させたい議員は誰ですか?」九月二十八日発売の『週刊文春』10月5日号が読者千二百人への緊急アンケートの結果を掲載している。

二位が豊田真由子、三位が山尾志桜里と、週刊誌でスキャンダル報道された議員が上位を占めたのは予想通りだが、一位が安倍晋三。それも総回答数の三分の一近い圧倒的な数だ。

編集部にとっても意外だったようで、見出し脇に「1位はなんと...」と書いている。リベラル派の新聞社系週刊誌ならともかく、保守派の同誌のこの結果は自民党には気になるところだろう。安倍首相は「今なら勝てる」という思惑で解散総選挙に打って出たわけだが、国民の反発は予想以上に強いのかもしれない。

『週刊朝日』10月6日号は、国連総会演説で安倍首相が「北朝鮮に対し必要なのは対話ではない、圧力だ」という演説を行ったが、「安倍官邸の想定外」が起きた、という話を書いている。テレビのトップニュースは首相演説でなく、安室奈美恵引退だったというのだ。

そりゃ安室引退の方がトップだろう、と誰もが思う気もするが、その引退報道が予想以上に大きな扱いだったという話を『週刊新潮』10月5日号が取り上げている。引退の理由を敢えて語らないなど、今回の発表にはいろいろな演出が見られ、どうやらその戦略をたてた大物プロモーターが存在するらしいというのだ。

同誌ではその人物は匿名だが、『週刊文春』10月5日号は「安室奈美恵電撃引退 本誌だけが書ける全真相」と題して、その人物を詳しく取り上げている。ただ「全真相」とぶち上げるほどの内容は書かれていない。なぜ安室奈美恵がこのタイミングで、敢えて引退宣言したのか。多くの人が抱くその疑問に、どの週刊誌も応えられていない気がする。

『週刊文春』記事には以前彼女が所属していた事務所の平哲夫社長の「ダンスや歌唱力が衰える前に身を引くというのはアイツの美学なんだろう」というコメントが載っている。たぶん真相はその辺なのだろう。『アエラ』10月2日号は、ファンの間に今「アムロス」が広がっているという話を書いている。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

NHKの連ドラ「あまちゃん」でブレイクした能年玲奈さんと所属事務所の騒動については以前書いた。さる6月9日、その騒動に関する『週刊文春』の記事に対して、能年さんの事務所レプロエンタテインメントが名誉毀損訴訟を起こした。この騒動、わかりにくいので、改めて整理しておこう。

根っこにあるのは能年さんと事務所の対立だ。多くの芸能マスコミの報道は事務所側に依拠したものだったが、『週刊文春』は能年さん側の主張を報じた。事務所と能年さんの対立が、芸能マスコミの代理戦争となって繰り広げられたと考えればわかりやすい。

もともとは4月26日付東京スポーツが「能年洗脳騒動 無断で事務所を設立」という記事をぶちあげたのが発端だ。能年さんが自分で事務所を設立したのを知った事務所が、背後に彼女をそそのかしている女性がいて、能年さんは洗脳されているのだ、と考えた。その情報に依拠した芸能マスコミが一斉に行ったのが、四月下旬の能年さんの「洗脳」報道だった。

それに真っ向から異を唱えたのが『週刊文春』5月7・14日号「能年玲奈本誌直撃に悲痛な叫び『私は仕事がしたい』」だ。事務所のマネジメントや処遇にいろいろな不満を持っているという能年さん側の主張が詳しく書かれていた。今回、事務所側が提訴したのは、その記事だ。  

その後、その記事に対抗するかのように事務所側の言い分をまとまった形で報じたのは『週刊ポスト』6月5日号「能年玲奈『もう気が狂う!』暴走ヒステリー現象をスッパ抜く」だ。能年さんの意向に現場が振り回され、女性マネージャーが体調を崩して長期休養に入るなどしたと書かれている。能年さんからは既に昨年、事務所を辞めたいという意向が伝えられたが、二〇一六年まで契約が続くことになり、処遇改善など弁護士を立てて双方の協議が続いているという。

能年さんも事務所側も話し合いが継続中なので正式なコメントが出せない。週刊誌は情報源を明記せず、これが真実だとそれぞれの立場で報じている。いったいどの記事が正しいのか、読者は困惑しているかもしれない。

 

 

 ICU(国際基督教大学)の新入生の合宿行事「リトリート」がすっかり有名になった。5月1516日に行われた今年の合宿に秋篠宮家の次女・佳子さまが参加したことを、週刊誌が大々的に取り上げているのだ。

 「驚きました。皇族のタンクトップ姿を見たのは初めてかもしれません」と皇室記者の興奮気味のコメントを冒頭に掲げたのは『週刊文春』5月28日号。合宿中の肌の露出の大きい服装が波紋を呼んでいるという。『女性セブン』6月4日号も「素肌と着こなしに異論百出」と見出しに掲げ、宮内庁関係者から厳しい声が上がっていると書いている。

肌の露出が大きいなどと聞くと、いったいどういう格好なのかと興味を持つ人も多いだろう。『週刊文春』は写真を掲載していないのだが、驚いたことに『フライデー』『フラッシュ』や女性週刊誌には、隠し撮りと思われる合宿中の写真があふれ返っている。

それらの写真を見ると、まあ普通の女子大生の格好だ。皇族だからといって大学の合宿に正装していくわけはないから当然なのだが、それが人目につくと、こんなふうに話題にならざるをえないのだろう。

『週刊文春』によると、佳子さまは服装や髪形について母親と口論になることが多いという。秋篠宮家関係者の匿名コメントによると「髪形や服装、門限などについて、紀子さまは本当に細かいことまで、厳しくおっしゃることがあります。それに対し、佳子さまは『うるさい!』と返されるのです」という。ちなみに、この記事の見出しは「佳子さまと紀子さま『うるさい!』事件」。母親に「うるさい」と言い返したことが「事件」になってしまっている。

いささか騒ぎ過ぎというべき佳子さまフィーバーだが、『週刊新潮』5月28日号によると、それは中国にまで飛び火しているらしい。日本で三月に発売された『佳子さまご成婚記念』の写真集は中国のネット通販サイトに五倍近い値段で出回っているという。

5月21日には、ネットの掲示板2ちゃんねるに佳子さまを脅すような言辞を書き込んだ男が逮捕された。こういう事が増えることを関係者はいま、恐れているに違いない。