トップ> 篠田博之の「週刊誌を読む」 >「報道ステーション」スタッフの「報道魂」と赤江珠緒さんの発言

篠田博之の「週刊誌を読む」

「報道ステーション」スタッフの「報道魂」と赤江珠緒さんの発言

 テレビ朝日「報道ステーション」のキャスターやスタッフが新型コロナに感染したことは知られているが、その中で重症だった総合演出の伊藤賢治さんの闘病体験が十五日の同番組で放送された。いやあ、すごい。病室のベッドで咳き込んで苦しむ様子を自ら撮影しているのだ。まさに「報道魂」だ。

 伊藤さんは赤江珠緒アナウンサーの夫だが、赤江さんも自らが感染した体験をいろいろな場で語っている。『女性自身』5月26日号「赤江珠緒アナ『感染中でも2歳児の育児を...』」では、闘病を通じて気づいたことを聞かれてこう答えている。

 「治療現場に人が近づけないので臨床医の先生の声があまり取材しきれていないように思いました」

 感染の現場を伝えるというのは大変な作業で、報道する側にも覚悟と工夫が求められているといえる。

 週刊誌は各誌ともコロナ問題に誌面をさいているが、いやな気持ちになったのが『フライデー』5月29日号「持続化給付金を不正に入手する詐欺師に接触」だ。

 ペーパーカンパニーの売り上げを操作して給付金を総額五百万円申請したという男性がこう語っている。「いままでいろんな違法ビジネスに手を染めてきましたが、これほどラクに500万円が手に入りそうなことはないです」

 アベノマスクが製品不良で大量回収になった話もそうだが、緊急事態とはいえ、国は対応をしっかりしないといろいろな問題が噴出しかねない状況だ。

 『週刊新潮』5月21日号のグラビアは「チグハグな光景」と題して衆議院厚生労働委員会の写真を掲載している。感染対策として通常より大きな部屋を使い、座席も間をあけて座っているのだが、加藤厚労相の後ろだけは十人ほどがびっしりと密集して座っている。厚労省の職員が加藤大臣の答弁をサポートするために臨席しているのだ。永田町のチグハグさを風刺したものだが、その諧謔精神が週刊誌らしい。

 そのほか安倍政権がゴリ押しする検察庁法改正についても『週刊文春』や『フライデー』などの週刊誌が批判的に取り上げている。この改正もひどい話だ。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「報道ステーション」スタッフの「報道魂」と赤江珠緒さんの発言

このブログ記事に対するトラックバックURL: https://www.tsukuru.co.jp/mt/mt-tb.cgi/3172