トップ> 篠田博之の「週刊誌を読む」 >今井絵里子議員不倫騒動と『週刊新潮』の取材

篠田博之の「週刊誌を読む」

今井絵里子議員不倫騒動と『週刊新潮』の取材

 ついに稲田朋美防衛相辞任という事態に至った安倍政権を揺さぶる一連の不祥事だが、よりによってその時期に噴き出したのが今井絵理子議員の不倫騒動だ。元SPEEDの歌手で、昨夏の参院選で当選した女性議員である。 

すっぱ抜いたのは七月二十七日発売の『週刊新潮』8月3日号「元SPEED『今井絵里子』の略奪不倫」。同議員が同じ自民党の橋本健神戸市議会議員と不倫関係にあるという内容だ。驚いたのは、同誌が七月十四日から数日間にわたって今井議員らを尾行・張り込みしたと思われる記述と写真だ。

グラビアの冒頭には今井議員が大阪のホテルのエレベーターからパジャマ姿で出て来る写真。そのホテルに二人は同宿したというのだが、次のページには二人が大阪へ向かう新幹線の車中の写真。無防備にも隣同士の席で手を握り合っている。驚いたというのは、よくこれだけ何日間も密着して隠し撮りを行えたという、その技術力についてだ。

 このところ『週刊文春』『週刊新潮』のスキャンダル報道で決め手となっているのは、徹底した尾行や張り込みによって確証となる現場を押さえていることだ。それには組織力と技術力が必要なのだが、それが発達したのは一九八〇年代の写真週刊誌ブームの時だ。既に休刊した『フォーカス』の技術は同じ新潮社の『週刊新潮』に受け継がれたと言われ、『週刊文春』では講談社の『フライデー』から移籍した記者が活躍しているという。

 今回、『週刊新潮』は、スキャンダル報道の定石通り、締切前に当事者に隠し撮り写真を示して直撃を行っている。ご丁寧にも男性議員の妻にも直撃を行っているのだが、妻のコメントは「これは決定的ですね」だ。

 今井議員は同誌の発売日に文書コメントを発表。妻と離婚協議中という橋本議員から最近になって交際の申し込みを受けていたことを明らかにしながらも、『週刊新潮』が見出しに掲げた「略奪不倫」という事実はないとした。同日、囲み取材でこうも語っている。「自民党が大変な中、足を引っ張る形になったことをお詫びしたい」。

 確かにタイミングは最悪だ。

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 今井絵里子議員不倫騒動と『週刊新潮』の取材

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.tsukuru.co.jp/mt/mt-tb.cgi/3108