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篠田博之の「週刊誌を読む」

橋下徹大阪市長がツイッターで文化人や学者を攻撃

 橋下徹・大阪市長が職員に実施したアンケートが、労働組合の切り崩しを意図した「思想調査だ」と反発を受けている。

選挙大勝後の橋下市長の動きは、かなり政治的だ。年明けから一時期は、学者・文化人を次々と非難していった。『アエラ』2月6日号「橋下流ケンカ術の極意」や『アサヒ芸能』2月2日号など、週刊誌もそれを取り上げた。

最初の相手は、浜矩子・同志社大学大学院教授。1月3日のツイッターで「紫頭おばはん」などと攻撃。浜教授は『週刊文春』1月19日号で「社会が閉塞感に満ちている時代には、必ずこうした単純・極端・切り捨てタイプの政治家が頭角を現す」と反撃した。

続いて山口二郎・北海道大学大学院教授、中島岳・同大学院准教授、内田樹・神戸女学院大学名誉教授、香山リカ・立教大教授らを次々と非難。いずれも先の選挙で橋下市長に反対した学者たちだ。特に平松前市長の特別顧問だった内田教授への批判は激しかった。前出『アサヒ芸能』がこう書いている。

「1月13日のツイッターで、橋下氏は執拗に内田氏批判を繰り返したのだ。つぶやいた回数は22回。しかも、午前2時過ぎから始まったつぶやきは、午前3時に中断。起床後と思われる午前7時35分から再開してまで批判する念の入れようなのだ」

標的は学者だけでなく、1月11日のツイッターでは作家の高村薫氏を非難。さらにツイッター上で田原総一朗氏に「僕のことを嫌いな大学教授と直接討論させて下さい」と呼び掛け、1月27日放送のテレビ朝日系「朝まで生テレビ」で香山氏らと激論を交わした。

論争は今なお続いている。『週刊現代』3月3日号では内田樹氏と中沢新一氏が対談で橋下批判を展開。また『週刊金曜日』2月24日号は、表紙に「ハシモトは今日も噛みつく」とコピーを掲げ、橋下批判の大特集を載せている。

マスメディアの反応を意識しつつ、物議をかもす発言を敢えて行うのが橋下市長の手法だ。3月の卒業式シーズンには、「君が代」強制をめぐり、また「ハシズム!」という批判が起きそうだ。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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