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篠田博之の「週刊誌を読む」

週刊誌の皇室報道を激しく批判した東宮職医師団の見解

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 十二月九日、四十八歳の誕生日を迎えた雅子妃の感想と、東宮職医師団の見解が公表された。驚いたのは医師団が、この間の週刊誌報道を激しく批判していたことだ。

 「最近、週刊誌を中心として、ご病気に苦しまれながらもさまざまなご活動に懸命に取り組んでいらっしゃる妃殿下のご努力を否定するかのような、悪意ともとれる誤った情報に基づく報道が、関係者とされる人物の発言の引用を含めてなされていること、そしてそのことに対して妃殿下が心を痛めていらっしゃることへの強い懸念を表明いたします」

 「妃殿下は、ご体調に波がおありのなか、できるだけのことをしたいと誠意を持って懸命に頑張っていらっしゃいますが、そのご努力を否定するような批判的な報道が繰り返されますと、妃殿下は自信をなくされますし、安心して先に進むこともおできになりません」「このような心ない報道が平然と繰り返されている現状に、東宮医師団は専門家として憤りを覚えるものであり、この状況が改善されない限り順調なご快復は望めないと考えております」

 長々と引用したのはこの見解が異例ともいうべき激しい口調だったからだ。新聞・テレビが宮内庁発表以外の領域にあまり踏み込まないこともあり、皇室報道は週刊誌の独壇場だ。しかも宮内庁が記者クラブ加盟以外の取材に応じないため、裏のとれていない伝聞や憶測がそのまま活字になってしまう。

 例えば『女性自身』1220日号の「許せない!!宮内庁で蠢く非情の『離婚計画』」。皇太子夫妻の離婚を想定した動きが宮内庁で進行しているとして、許せない!と憤慨する記事なのだが、その離婚を画策した動きというのが本当に存在するのかどうか、根拠が示されていない。

 また『週刊女性』1220日号「48歳の雅子さまへのご提言&お勧め」は、回復のために身体を動かすエクササイズをやってはどうかといった識者のコメントが並んでいるのだが、これこそ「余計なお世話」だろう。

 雅子妃の病状を悪化させているのは週刊誌のバッシング報道だ、という医師団の見解に、週刊誌各誌はどう応えるのだろうか。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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