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篠田博之の「週刊誌を読む」

週刊誌で相変わらず続く雅子妃バッシング報道

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 天皇の入院、「女性宮家」創設問題など、皇室問題が週刊誌をにぎわせている。週刊誌の皇室報道は人気が高く、女性週刊誌の場合は毎号皇室記事を入れるのが原則だという。

 雅子妃の適応障害や娘の不登校、ファミリー内の確執といった話を、多くの人がホームドラマを見るように眺めているわけだが、登場人物の役回りがあらかじめ決められているのが特徴だ。いつも雅子妃は公務よりも娘のことしか考えていない人物と描かれるし、皇太子はその妻に従うマイホームパパだ。

例えば十一月十日、皇太子が天皇のお見舞いに行った時、雅子妃が体調不良を理由に直前に同行を取りやめたという話を『週刊文春』が報じた。この話はその後も尾を引き、十八日に再び皇太子が病院に父を訪ねた時も雅子妃は同行せず、しかもその日、娘の付き添いに行っていたとして問題にされた。 

『女性セブン』12月8日号で宮内庁関係者が匿名で、こう苦言を呈している。「お見舞いに行かれないのであれば、同じ日になぜ学校という私的なご用事での外出をされたのかということです」

皇太子についても、週刊誌が問題にしたのは「お召し列車」事件。十一月十三日、天皇の名代として菊のご紋を配した皇室専用の「お召し列車」で山梨に向かう皇太子が、沿線に集まった鉄道マニアたちに手を振って応えた。その写真がネットにアップされたのだが、皇太子は片手を振りながら、もう一方の手でカメラを構えていた。その写真マニアふうの雰囲気と菊のご紋とがアンバランスで、皇室関係者の間では「衝撃が走った」(週刊文春)というのだ。

一方、最近それと対比して称揚されるのが秋篠宮だ。『アエラ』12月5日号の記事の見出しはズバリ「頼れるのは秋篠宮」。皇太子夫妻よりも秋篠宮の方が公務に励んでいるという記事だ。『週刊ポスト』12月9日号はついに「『秋篠宮を摂政に』は暴論か」とまでぶち上げた。

 最近の週刊誌の皇室報道の論調がほとんどひとつに染まっているのは、恐らく情報源である皇室関係者に、天皇の後継問題を案じ、皇太子夫妻が公務に専念しないのを嘆く空気があるからだろう。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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