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篠田博之の「週刊誌を読む」

大阪ダブル選挙、橋下徹候補への「ハシズム」批判

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 『サンデー毎日』109日号「内田樹、佐藤優らが憂う橋下独裁『ハシズム』」。ハシズムはもちろんファシズムをもじった語で、面白いネーミングだと思ったら、同誌がつけたのでなく、大阪で開かれたシンポジウムのタイトルだった。

 橋下大阪府知事率いる大阪維新の会が府議会に提出している教育基本条例については、私が関わっている日本ペンクラブも先日、反対声明を出した。橋下府知事の手法は、敢えて暴論をぶちあげて現状に一石を投じるが、たしなめられると引っ込めるというもののような気がするが、今回はぶちあげたら予想外に前へ進んでしまったという感じ。『サンデー毎日』の記事で論者が指摘しているように、政治不信や閉塞感など、ハシズムに対するブレーキが働かない社会的要因があるからだろう。同誌はハシズム批判の立場だが、この問題、もっと議論してよいテーマだ。

 さて話題転換。先週今週と週刊誌は雅子妃の家族問題に大きな誌面をさいている。九月十四日から二泊三日で学習院初等科の校外学習が山中湖で行われたのだが、雅子妃は娘のために異例の付添を行った。それがものものしい警備を伴ったり、雅子妃が泊まったのが一泊十二万円のスイートルームだったため、様々な批判を引き起こしたらしい。

 九月二十二日、羽毛田宮内庁長官が会見で「校外学習が出来たのは良いが、通常の形でないのは心配している」とコメント。ところが同日夕方の東宮大夫の会見ではその問題にあまり触れられなかったために、記者から異例の突き上げがなされたという。

『週刊文春』10月6日号の見出しは「雅子さま愛子さま校外学習に宮内記者会が『税金泥棒』『異様な親子』」。記者が皇族を「税金泥棒」と言ったとしたらすごい話だが、記事を読むとそうでなく、雅子妃が高額のスイートルームに泊まったことについて「"税金泥棒"との批判を受けるかもしれません」と言ったのだという。しかし、その会見がヒートアップしたのは確からしい。

 娘の不登校を何とかしたいという雅子妃が異例の付添を続けていることについては賛否両論。難しい問題だ。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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