篠田博之の「週刊誌を読む」
雅子妃と「おひとり登校」をめぐる報道
週刊誌の雅子妃報道が続いている。「愛子さまが9月27日の火曜日、ついに1人で登下校した」(アエラ10月10日号)。不登校騒動以来一年七カ月ぶりだという。『週刊文春』10月13日号も「愛子さま早朝の涙!19カ月ぶり『おひとり登校』全内幕」という特集記事を掲載している。
前回本欄で書いたように、九月半ばの学習院初等科の校外学習に雅子妃が付き添いを行ったことが批判を浴びた後だったから、関係者は何とか名誉挽回をと考えたのだろう。三十日の会見で東宮大夫は「校外学習で自信をつけた成果です」と強調したという。
一人登下校といっても、二十七日は、愛犬が一緒だったという。『週刊朝日』10月14日号の見出しは「愛子さま『一人登下校』の立役者は愛犬由莉だった」。『週刊女性』10月18日号によると「不
安感やストレスを軽減させるために」ペットを同行させたのではないかという。
しかし、喜んだのも束の間。「翌日の28日から2日間、愛子さまは風邪のため欠席。30日は一人で登校したが、体調を心配したのか、雅子さまが途中から校内に入ることになった」(サンデー毎日10月16日号)
二十七日の一人登下校はテレビ各局が夕方のニュースで報じたほどの騒動だったが、実はその前日の二十六日の様子から週刊誌では取り沙汰されていた。
『週刊新潮』10月6日号によると、二十六日朝は父親の皇太子が付き添ったが、娘を見送った後、引き返して行った。両親のどちらかが在校時間中も校内で待機するという「異常事態に漸く終止符が打たれた」と、学習院職員が喜んだが、午前十時過ぎに雅子妃が現われて「再びどん底へ突き落され」た。関係者の一喜一憂を面白おかしく書いたこの記事の見出しは「学習院を打ちのめした雅子妃の月曜日事件」。
登下校の連日を詳細に報道するという、この騒動の方が異常に思えるのだが、案の定、三十日の会見で東宮大夫はこう語ったという。「(皇太子妃殿下は)付き添いを続けてこられましたが、その過程を細かく報じられたことに、心労を感じていらっしゃいます」(女性自身10月18日号)。やっぱりね。
(月刊『創』編集長・篠田博之)
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