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篠田博之の「週刊誌を読む」

山本太郎さん反原発運動での覚悟

俳優の山本太郎さんが最近すごい。反原発運動で全国各地に神出鬼没。九月十九日の明治公園大集会では、大江健三郎さんも良かったが、山本さんの演説に最も聴衆が沸いた。  

そんなふうに目立つせいか、逆風も強い。先頃本人と会って飲む機会があったが、気にしていたのが『週刊新潮』9月1日号「露出度が4倍になって山本太郎 反原発は儲かるか!」。反原発で有名になって逆に儲けているのではという同誌らしい意地悪な記事だ。

根拠はというと「事務所を辞めた5月から22回もテレビ画面に登場し、それ以前の1年間の4倍も多い」。でもドラマも情報番組も一緒にして出演回数から収入を推測するのは乱暴だ。実際は本人の話によると、収入は十分の一に減ったとのこと。それだけ覚悟を決めてやっている人を、揚げ足取りで揶揄しちゃいけないよ。

さて本題。島田紳助さんの引退騒動は、週刊誌ではいまだに大きな話題だ。次々といろいろなタレントが挙げられ、ヤクザとの交際疑惑が報じられている。その中で面白かったのが『週刊文春』9月29日号「ビートたけし『暴力団との交際』すべて語った」。

フライデー襲撃事件の後、テレビ復帰した時に右翼団体に激しい街宣抗議をかけられたのは有名だが、その時は右翼団体と関連の深い住吉連合会の会長に「土下座して謝った」とのこと。それに限らず芸能活動をするうえでヤクザとの接点は日常的にあったという。「若い頃、漫才大会に行けば、興行師は間違いなくヤクザなんだ」

よく言われることだが、芸能人の地方興行などを仕切ってきたのは地元のヤクザで、芸能界と暴力団は切っても切れない関係だった。たけしさんによると、ヤクザとどこで線を引くかが大切で、「紳助が悪いのは、一番肝心な『ヤクザにモノを頼む』っていう大失敗をしでかしたこと」だという。

この十月から全国で施行される暴力団排除条例を気にしている芸能人も多いと言われるが、たけしさんはむしろ、条例はヤクザとの接触を断る口実にできるから「本当にありがたい」という。

今回の騒動が、芸能界全体に波紋を投げたのは間違いない。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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