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皇太子一家をめぐる週刊誌のプライバシー報道

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フォローし出すと結構興味深いのが皇太子一家の話だ。適応障害に悩む母親が、非難を浴びながらも不登校の娘のためになりふり構わず行動する。それを『週刊新潮』などが嫁いびりのようにねちねちと批判するという展開だ。最近は、皇太子夫妻の方もバッシング報道を意識し、対抗しているように見える。

今回の舞台は十月八日の娘の運動会。『週刊新潮』1020日号の見出しは「『愛子さま』運動会の場所取りにベテラン侍従を並ばせた『雅子さま』」。保護者席の場所取りに朝七時過ぎから行列ができたのだが、「この時、父母の中には眼前の光景に仰天する人も少なからずいた。何と先頭には2名の東宮職が一番乗りで立ち尽くしていたのだ」

皇太子夫妻は、貴賓席を用意しようとする学習院側の申し出を断って、毎年一般の父母席に座る。二名の東宮職の任務は「一般席の中でもなるべく報道陣の目に触れにくいお席」を確保すること。そのために朝一番で並んだというのだ。

東宮職と運動会の席取りというアンバランスゆえか、その光景は他の保護者にもひどく目立ったようだ。『女性セブン』1027日号も「雅子さま愛子さま運動会!席取り行列『あっ、先頭は東宮職』で大騒動」という記事を掲載している。

一方、『週刊文春』1020日号は「皇太子『撮りホーダイ』雅子さまは双眼鏡で監視」と題して、運動会当日の取材規制がいかに厳しかったかを書いている。前年の運動会で、一般父母の撮影した皇太子一家の写真がマスコミに流出したことに学習院側はピリピリしていたという。見出しの「皇太子『撮りホーダイ』」は、そんな中で皇太子当人が自由にカメラ撮影していたのを皮肉ったものだ。

『女性セブン』は前出記事のほかに「雅子さま愛子さま『おひとり登校』から"逆戻り"であらためて考える」という特集記事を掲載。雅子妃の母親ぶりに対して「世間の反応は『甘やかしすぎ』という批判と、『母親として子供を守ろうとするのは当然』という正反対の意見に分かれた」と書いている。

皇太子一家の物語は母子のホームドラマとして関心を呼んでいるようだ。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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