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篠田博之の「週刊誌を読む」

小沢一郎会見後に起きた会見開放をめぐる騒動

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自由報道協会(上杉隆代表)が二十日に主催した小沢一郎氏の会見に参加した。某全国紙記者が司会者の「質問は一人一つ」との制止を振り切って質問を続けたのに対して、終了後、「ルール違反じゃないか」とフリーの上杉隆さんや岩上安身さんらが激しく詰め寄り、騒然となった。

小沢会見をめぐっては、その前の六日の会見で小沢氏が記者に対して「君はどう考えているの?」と逆襲した映像がテレビで何度も流され話題になった。上杉さんは、そのシーンだけを取り出して報じるのは小沢氏に対するネガティブな印象操作だとして、『週刊ポスト』1028日号で激しく批判していた。

いわゆる小沢問題ほど、メディアによって報道のスタンスがはっきり分かれるケースは珍しい。記者クラブに属する新聞・テレビとネット媒体やフリーとの違いがよく例に挙げられるが、それだけではない。週刊誌をとっても、『週刊ポスト』『週刊朝日』と『週刊現代』『週刊文春』とでは論調が全く異なるのだ。

SPA!101825日号がこの問題を取り上げ、「反小沢メディア」対「親小沢メディア」と表現しているのだが、この分類の仕方はやや単純化しすぎだろう。ただ現象的にはそう見えるかもしれない。

例えば小沢氏の元秘書三人に対する先月の有罪判決に対しても、『週刊朝日』1014日号は「裁判所の暴走」と題して激しく批判した。それに対して『週刊現代』1029日号ではジャーナリストの立花隆さんがこう論評している。「この当り前の判決が出たことに対して、一部小沢シンパの若干の識者(?)と若干のメディアが(そして小沢自身も)裁判批判をしているようだが、これは批判するほうがおかしい」

小沢報道については『週刊現代』はもっぱら小沢叩き。その小沢叩きを批判するのが『週刊ポスト』『週刊朝日』。これだけ論調がはっきり分かれるのは、「革新的」「古い体質」といった小沢一郎という政治家の持つ二面性にもよるのかもしれない。

そのほか今週は『週刊文春』1027日号「池田大作『厳戒病室』本当の病状」も興味深かった。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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