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篠田博之の「週刊誌を読む」

石川遼プライバシー報道めぐる応酬

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 「石川遼、熱愛宣言」などと十月二十五日のスポーツ紙が一斉に報じた。二十四日の夜十時頃、突然マスコミに送られたファックスをもとに報じたものだ。でもこのファックス、全文を読めば「熱愛宣言」などというものとはほど遠い。

「この度、石川遼のプライベートな事柄(女性との交際)に関し、石川家及びその周辺、並びにスポンサー企業様に対して、不意の夜間の訪問や尾行などの、社会常識の限度を超えた取材活動が行われた事実がございました」「現在、石川遼にはお付き合いしている女性は存在いたしますが......(この件に関して)何らかの発表およびコメントを発することはございません」 

過熱取材への抗議文というべきものだ。スポーツ紙は、その文中で交際の事実自体は認めた、そこだけを拾って報じたのだ。では、このファックスが指摘した「社会常識の限度を超えた取材活動」とは何だったのか。

 正解は『女性セブン』1110日号を読めばわかる。「スクープ撮!確執中の父と豪邸に泊める婚約者」。交際中の女性が十七日夜から石川宅に泊まったところを張りこみ、翌朝帰宅するところを撮影していたのだった。締切の二十四日に所属事務所の代理人に確認取材を行ったことで、その週に記事が出ることを知った石川家側が対抗したのが、前述のファックスだった。

 撮影を行った十八日朝、『セブン』側は張り込みを知った石川家に通報され、カメラマンが交番に出頭する騒動になった。その後も石川家の父親の抗議電話や質問状が編集部に寄せられたという。記事ではそうしたトラブルも説明し、その父親の反応もいささか過剰だと反論している。

 抗議文にあるスポンサーへの取材というのは『週刊新潮』のことだ。同誌11月3日号は「絶不調『石川遼』を襲った『できちゃった婚説』舞台裏」と題して、スポンサー企業の担当役員に直撃取材を行ったと書いている。

 でも抗議文の効果はいまひとつだったようだ。二十六日には『フライデー』が噂の相手女性の自宅を直撃。警察を呼ばれる騒ぎになった。おめでたい話のはずが、どうしてこんな騒ぎになるのか理解に苦しむのだが。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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