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篠田博之の「週刊誌を読む」

『女性セブン』のスクープ

 正月明け最初の号で『女性セブン』がスクープを放った。1月21日号の表紙には「安室奈美恵・ロンブー淳 聖地巡恋7泊9日」の見出しが躍っていた。
 歌手の安室奈美恵とお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳が、それぞれ十二月二十八日と二十九日に成田空港を発ってロサンゼルスに向かったのだが、現地で合流。アリゾナ州セドナで一緒に年末年始を過ごしたというのだ。
 一月六日発売の同誌に先駆けて五日付の東京スポーツでも芸能レポーターの梨元勝さんが「安室&淳熱愛 ロス極秘旅行」という記事を書いているから、どうやら情報自体は出回っていたらしい。
 しかし、『女性セブン』が決定打となったのは、アリゾナ州フェニックスの空港で二人が手をつないでいる決定的写真を押さえ、カラーグラビアで大きく掲載したからだった。
 タレントの熱愛騒動など興味のない人にはどうでもよいニュースだろうが、アリゾナまで二人を追尾した同誌のその根性には感心するほかない。
 恐らくその誌面を見てもう否定しようがないと思ったのだろう。帰国した一月七日に田村淳が芸能マスコミの会見に応じて「全て事実です」と認めた。六日と七日、成田空港や田村の所属する吉本興業には大勢の報道陣が押しかけたという。
 タレントの熱愛報道は『フライデー』などが今も熱心にやっているが、昔ほど大きな話題にはならない。タレントのプライバシーに対する社会の受け止め方が変わったためかもしれない。そんな中で今回の件が話題になったのは『女性セブン』の誌面のインパクトによる部分もあると思う。芸能マスコミが元気だった頃を彷彿とさせるスクープだった。
 「女性週刊誌ナンバー1」を強調している『女性セブン』だが、近年は部数が低落。落ち込み方が比較的小さい二位の『女性自身』に差をつめられつつある。そんな中での今回のスクープだけに感慨ひとしおだったろう。
 昨年ののりピー騒動で一時回復したとはいえ、週刊誌の部数低落に歯止めはかかっていない。前述した『女性自身』は、昨年末の忘年会を経費節減のために社員食堂で行ったとして話題になった。

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