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篠田博之の「週刊誌を読む」

「小沢vs検察」最終戦争が急展開

 『週刊朝日』1月22日号の表紙は「小沢vs検察 最終戦争」という大見出しだ。この「最終戦争」が今、急展開を遂げている。
 同誌記事で情報誌編集長の歳川隆雄氏がこうコメントしている。「検察の現場レベルはいうまでもなく、上層部も、多少"無理スジ"でも小沢に肉薄したい、できれば議員辞職まで持っていきたいという意向です」
 同誌によれば、検察側が最終戦争に打って出ようとしている背景には、このまま小沢氏の権力が強大になれば、検察組織の切り崩しに手をつけるだろうという見通しがあるからだともいう。 
 『週刊現代』1月23日号に東京地検OBのこんなコメントが載っている。「小沢氏にとっても検察は、師匠の田中角栄元首相が逮捕されて以来の"宿敵"です。そのため検事総長を民間人から起用し、次長検事、高検の検事長らを国会同意人事にしてしまうプランがあると囁かれています。検察も官僚組織である以上、人事を政治家に握られたら組織がガタガタになる。何としてでも抵抗しなければならない」
 ただ検察内部も一枚岩ではなく、石川知裕議員逮捕をめぐって特捜部と検察上層部にせめぎあいがあった、と指摘するのは『週刊文春』1月21日号だ。記事中の地検関係者のコメントはこうだ。「特捜部は"石川逮捕"の方針を固め、高検に報告を上げているのですが、これに検察上層部が難色を示した。そこから事態が一気に動き始めた。つまり、検察上層部に対する現場の不満がマスコミを通じたリーク報道という形で、一斉に噴き出していったのです」
 マスコミ報道そのものも権力をめぐる戦争に巻き込まれている。我々は、そうした背景を考えながら報道に接する必要があるということだろう。
 このほか面白かった記事は、先頃ドラマにもなったベストセラー『筆談ホステス』をめぐる裏話だ。「ドラマ化『筆談ホステス』支配人がバクロしたウソ八百」(週刊文春)「印税の奪い合いも起きていた『筆談ホステス』美談の裏側」(週刊新潮)。マスコミによって美談にされた話はかなり脚色が施されているものだ、という教訓だ。 

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