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篠田博之の「週刊誌を読む」

泣けるのりピーの過去 薬物事件・総選挙で部数増

 部数低迷で暗い話ばかり続いてきた週刊誌だが、何とこの八月は各誌が部数を伸ばしたらしい。部数増の要因は薬物事件と総選挙と言われるが、前者の影響が大きかった気がする。『女性セブン』前編集長に聞いたら、同誌も部数を伸ばしたというから、やはり「のりピー」騒動が大きかったのだろう。

 清純派のイメージが崩壊したばかりか、知られざる不幸な生い立ちが次々と露わになるというドラマのような展開だった。週刊誌も酒井被告の母親や弟を探し出してインタビューを行うなど、相当取材に力を入れた。     

『週刊ポスト』9月11日号には勾留中の腹違いの弟が登場したのだが、これがまた泣かせる。姉の芸能界での成功を誇りに思いながらも、自身がヤクザであるため身内であることを隠してきたという。大衆受けする浪花節的物語がふんだんに登場するのだ。

 もうひとつの薬物事件、押尾被告の方は、『フライデー』9月25日号が元交際女性の告白を掲載している。同誌は9月4日号でも、押尾被告に薬物を勧められたという別の女性の告白を掲載していたが、この問題での同誌の健闘は光っている。

 でも酒井・押尾両被告は、週刊誌で叩かれながら、実は部数増に大貢献しているという、この現実は皮肉としか言いようがない。

 さて週刊誌がもうひとつ血道をあげているのが、大量当選した民主党・小沢ガールズのスキャンダルだ。田中美絵子議員など、かつて風俗ライターをしていたという話に続いて、今度は映画でヌードになっていたという話が大々的に暴露されている。でも、これってスキャンダルと騒ぐほどのネタなの?

 『サンデー毎日』9月20日号が、小泉チルドレンと小沢ガールズの比較をしているが、作家の大下英治氏がこう言っている。「小泉氏が放った女刺客は女性に好かれないタイプ、小沢氏が放った女刺客は女性に好かれるタイプです」

 四年前の刺客は片山さつき氏らエリート臭のある女性が多かったが、今回は庶民的女性が多い。だから「元風俗ライター」と暴露されても大打撃にはならない。小沢氏がそこまで考えて彼女らを選んだのかは不明だが。

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