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篠田博之の「週刊誌を読む」

ワンフレーズ大勝再び 総選挙で異例の一斉発売

総合週刊誌は、月曜発売から木曜発売のものまでが九月二日水曜日に一斉に発売されるという異例の事態となった。各誌が総選挙の結果を受けて発行しようとしたからだ。

確かに政権交代という事態の持つ歴史的意義は絶大だ。しかし、同時に多くの人が今回の結果に不安を感じているのも確かだ。

『週刊朝日』9月11日号のコラムで田原総一朗さんがこう書いている。「前回の選挙は『郵政』、今回は『政権交代』というキーワードで完全に"一色主義"に染まった。そこまで極端に振れる日本人に、言葉は悪いが、私は気持ち悪ささえ感じた」

『週刊金曜日』9月4日号で雨宮処凛さんもこう書いている。「今回の選挙は『政権交代か否か』というワンフレーズで、『郵政民営化か否か』のワンフレーズだった四年前が蘇り、そしてその結果も四年前を彷彿とさせるものだった。自民と民主が入れ替わっただけ、という構図だ」

さらに『週刊文春』9月10日号での立花隆さんの見解も引用しよう。「『政権交代』を叫ぶだけの党派がランドスライド的大勝をしてしまうのは、政治がコンテンツ抜きのパフォーマンスだけで評価されてしまう国ということでもある。この選挙、思い返せば返すほどその中味のなさに唖然としてしまう」 

大勝と言えば、その選挙特番の視聴率競争で日本テレビが、NHKの24・7%をしのぐ26・4%でぶっちぎりトップになったことも話題になった。前の時間に放送していた「24時間テレビ」で、「珍獣ハンター」イモトのゴールが時間内に間に合わず、「ゴールの模様はこの後の番組で」とされたことが勝利の要因だった。

中身や実力と別の要因で圧勝という、この現実には脱力感を覚えざるをえない。そして、民主党の圧勝にも同じ思いを感じてしまうのだ。

その民主党新人女性議員の「コスプレ風俗ライター」の過去をすっぱ抜いたのは『フライデー』9月18日号。どうということのない中味だが、週刊誌らしい切り口で面白い。

のりピー騒動絡みでは『週刊ポスト』9月11日号「酒井法子実弟獄中告白!」が、実にいい記事だった。

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