トップ> 篠田博之の「週刊誌を読む」 >「清純派」マスコミの産物 酒井法子容疑者 一連の報道に驚きも

篠田博之の「週刊誌を読む」

「清純派」マスコミの産物 酒井法子容疑者 一連の報道に驚きも

 酒井法子容疑者は、ついこの間まで清純派と呼ばれていたのが嘘のように、週刊誌では大変な書かれようだ。「酒井法子『ヤクザ人脈とシャブ地獄』」(アサヒ芸能)「酒井法子 闇人脈と悪魔が棲みつくまで」(女性セブン)等々。

 彼女が逮捕まで六日間逃亡していたその足取りを徹底追跡したのは『週刊文春』8月27日号だ。見出しは「のりピーが『言いたくない』"シャブ抜き"逃亡を助けた『男』」。その男とは港区の法律事務所の所長だった七十五歳の元弁護士だという。

 同誌によると、弁護士時代には財界や芸能界の大物の代理人を務め、イトマン事件の許永中や伊藤寿永光ら闇人脈とも親交を持つ。九七年、麻布建物資産隠し事件で公正証書不実記載と同行使で逮捕され、弁護士資格を剥奪されたという。すごい経歴の人物だ。酒井容疑者の継母と知りあいで、昔から酒井容疑者のめんどうを見てきたのだという。

 しかし逃亡を助けたこの人物を含め、酒井容疑者に関して次から次へと報道される人脈や過去には驚くばかりだ。「3人の母と家の秘密」と題してその半生を描いたのは『アエラ』8月24日号だ。

暴力団の組長だった父親が離婚したために酒井容疑者は、小学校時代に福岡から埼玉の親戚の家に里子に出された。父親の姉と言われるその育ての母、さらに父親が再婚したために郷里に呼び戻されて以降の継母を含めると「三人の母」に育てられたというわけだ。

 そして十四歳、中3の時に芸能界デビューして不遇な生い立ちを脱け出し、アイドルになるのだが、十八歳の時に父親が事故死、二十九歳の時にはデビュー当時から信頼していたマネジャーが自殺。そして今回、三十八歳で逮捕、である。

自身が複雑な生い立ちだったからこそ自分の子どもは大切にしていたという。しかし今回の事件でこの子どもは、両親が一度に逮捕されるという最悪の事態に至った。

 事実は小説より奇なり、というが、人間とは誰しも様々な顔を持っているものだ。「清純派」といった単純なイメージはマスコミが作り上げた虚像であることを我々は知るべきなのだろう。

 

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「清純派」マスコミの産物 酒井法子容疑者 一連の報道に驚きも

このブログ記事に対するトラックバックURL: