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篠田博之の「週刊誌を読む」

なぜ清純派が薬物に のりピーの内面に踏み込め

のりピーこと酒井法子容疑者の薬物事件への関心は高く、ワイドショーや情報番組は軒並み視聴率を上げているという。

でも週刊誌は、事件ものに強い『週刊文春』『週刊新潮』を始め大半が夏の合併号で休み。合併号なしで通常通り発行した『週刊朝日』は、編集後記で「ああ出しててよかった、と今週はしみじみ思った」と書いている。薬物事件を特集した8月21日号はかなりの売れ行きだという。

関心が高いのは、酒井容疑者の清純派のイメージと事件の落差が大きかったことが一因だ。前出『週刊朝日』の「酒井法子薬物逮捕の衝撃」に、彼女の知られざる家庭事情について書いたこんな記述がある。

「福岡県警の関係者が、こう解説する。

『父親は福岡市で勢力を張る山口組の直参・伊豆組組長の舎弟分の組長だった。法子は小学校時代は埼玉県の親類に預けられ、中学の一時期は福岡にも戻っていた。父親は娘のデビューとともに引退し、晩年は山梨で金融業を営んでいたそうです』」

 この父親が八九年に交通事故で亡くなった時、車内に娘の歌のテープが残されていたことは美談として報じられた。そして記事はさらにこう続く。

「福岡に住んでいたころを知る暴力団員は、

『当時は『お嬢』と呼ばれていましたが、本人はお嬢様学校に通い、明るく快活だった。しかし、さすが組長の娘ですね。警察に職質されたときの毅然とした態度はお嬢ならでは』と懐かしむ」

 これって「ごくせん」の主人公そのままじゃん。でも、こういう複雑な事情を抱えながら"清純派"を演じ続けたのりピーの矛盾の噴出が今回の事件だったのか。その屈折した背景を知って、私は逆に酒井法子というタレントに興味を抱いた。

 当初は清純派と持ち上げていた芸能マスコミは、逮捕直後からひたすら叩きに転じているが、彼女がなぜ薬物に手を染めたのか、その内面に踏み込むような記事が読みたい。

最後に。内容を紹介する紙幅はないが、『週刊現代』8月2229日号「新聞・テレビは死ぬのか 迷走するメディア経営」が読み応えある記事だった。

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