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篠田博之の「週刊誌を読む」

メディア側の都合で変更 テレビ欄並び順、説明なく

 なるほどそうだったのか。『週刊現代』6月27日号「テレビ番組欄『並び順』変更の舞台裏」を読んでそう思った。

 この春、三月三十日付から、関東の朝日新聞、日経新聞、日刊スポーツのテレビ欄の並び順が変更された。それまでチャンネルの若い順に掲載されていたのが、テレビ朝日とテレビ東京が中央寄りに移動したのである。

どうしてそうなったかわからなかったのだが、二〇一一年の地上デジタル放送完全移行をにらんでの措置なのだという。地デジ化に伴って二桁のチャンネル番号がなくなり、テレビ朝日は「5」に、テレビ東京は「7」になるというのだ。

それで、どうして特定の新聞だけ、それに対応した並び順に今、変更したかというと、紙面中央に移動するというメリットが生じるテレ朝、テレ東の系列紙がいち早く変更に踏み切ったという、大変わかりやすい事情なのであった。

そして『週刊現代』のこの記事は、テレビ欄の変更で、視聴率に実際どんな影響が出たかも検証している。結論は「変更直後に視聴率は激変」。変更をはさんだ前後の週でフジテレビの全日の平均視聴率がダウンし、テレ朝がアップしているのだという。

記事中でテレビ局関係者がこうコメントしている。「視聴者は人気番組について、今さらテレビ欄で放送日時の確認はしませんが、深夜番組などはテレビ欄の番組紹介を読んで興味を持つ人がいるんだろうと思います」

この記事は「影響があった」という結論なのだが、ただ考えてみれば変更したのがちょうど番組改編期でもあり、何のせいで視聴率が変わったか特定するのは難しい。それよりも、メディア側の都合で特定の新聞のテレビ欄が変更され、しかもそれが読者にほとんど説明されないという、そっちの方が私には気になったのだった。

  さて『フライデー』が6月26日号から誌面を刷新した。表紙に「フライデーは変わります!」と大書、署名記事を増やすなどしたのである。翌週7月3日号の表紙に「リニューアル号完売御礼!」と書いているから刷新号は売れたらしい。この誌面刷新については次回論評しよう。

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