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篠田博之の「週刊誌を読む」

後味悪い草彅さん復帰 会見で特定メディア排除

5月28日、フジテレビで会見を行い、SMAPの草彅剛さんが芸能生活復帰を果たした。歓迎ムードを過剰に煽るテレビと対照的に、週刊誌ではこの復帰会見に批判の嵐が吹き荒れている。

ジャニーズ事務所が週刊誌や東スポなど、これまで批判的な記事を書いてきたメディアや、前回の謝罪会見でもめたNHKを会見から排除したというのだ。

『週刊文春』6月11日号は、グラビア記事でこう書いている。

「この日、小誌は草彅が復帰会見を開くという情報をキャッチ。早速ジャニーズ事務所に場所と時間を問い合わせたのだが、返ってきたのは驚愕の答えだった。

『記者会見の話は、こちらでは何も聞いておりません』

そんなはずはないと再度確認すると、しばらく待たされた後に、

『対応できる者が外出していて、わかりません。こちらでは何も把握していませんので』

と繰り返すのみだった」

そういう対応の末に特定のメディアを排除したまま、記者会見は行われたのだった。

『FLASH』も6月16日号でこの会見を批判。同誌の場合は「受付で会見場への立ち入りを断られた」とし、芸能関係者のこういうコメントを載せている。「事務所のいつものやり方ですよ。批判的な記事を書いたらこうなるよ、と」

ジャニーズ事務所は批判的記事を書いた媒体をリストにし、事務所への取材だけでなく、所属タレントが出演する番組などへの取材も拒否するという徹底したやり方をとっていると言われる。しかも、その「敵性媒体」には、ジャーナリズム系の雑誌の大半が含まれているという。

私は草彅逮捕は警察の勇み足だと思うし、復帰は歓迎だが、しかしこの会見をめぐる騒動にはイヤーな思いがした。そもそも今回の問題は、一般紙も大きく報道した社会的な事件だ。事務所の都合で特定の媒体を会見から排除するなどあっていいはずがない。

こんなことがまかりとおっているのも、ジャニーズ事務所の機嫌をそこねてはドラマやバラエティが成立しないと、同事務所の意向に平身低頭するテレビなどのメディア側の姿勢があるからだ。

情けない話である。

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