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篠田博之の「週刊誌を読む」

インフル騒動、検証続々 政府・マスコミ批判も

『SPA!』6月2日号のコラムで神足裕司さんがこう書いている。「タバコの煙がもうもうと立ちこめる新幹線で2時間あまりを過ごしてきた乗客が、新大阪駅で一斉にマスクを着け始めたのには、異様さを通り越して笑いそうになった」
 
関西で新型インフルエンザが確認された頃の光景だ。その後、感染は首都圏にも拡大した。その一カ月の騒動を検証し、政府の対応を批判する記事を各週刊誌が掲載している。

『週刊現代』6月6日号のコラムで大橋巨泉さんは「日本は騒ぎすぎだと思う」と書いている。大橋さんは5月10日、一番緊張感が高まっていた時に日本を出て渡仏。ところが誰一人マスクをかけておらず、新聞・テレビもほとんど報じていない。日本とのギャップに驚いたという。
 
『アエラ』6月1日号で北大大学院の教授がこうコメントしている。「恐らく、公表されている感染者数の何倍もの人が感染しているはずだ。だからと言って深刻になる必要はない。その多くに症状が出ていないからだ。早く季節性のインフルエンザとして対応すべきだ」
 
同誌の特集には、薬局でマスクが売り切れたことを受けて「完売なら作ればいい」という記事も掲載されている。ネットで様々な人たちが提案した「手作りマスク」の紹介だ。台所の三角コーナーに被せる「不織布のゴミ袋」を利用したもの、コーヒーフィルターで作ったマスク等々。笑ってしまうのが生理用ナプキンで作ったマスクだ。「素材を人に気付かれないかと挙動不審になるのは難点」と書かれている。
 
『週刊文春』6月4日号は、マスコミの当初の過剰な対応も俎上に載せている。例えば神戸高校の取材に現れた某紙記者三人は「先端の出っ張った高機能のマスクと、医療用の透明のゴーグルを装着」していた。他紙の記者が「細菌テロの取材かと思いましたよ」とコメントしている。
 
感染が秋以降ひどくなるという報道もあり、今後どうなるかわからない。前出『アエラ』記事の末尾で北大大学院教授はこう述べている。「インフルエンザウイルスは根絶できないんだから、人類は共存する方策を検討すべきなんだ」

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