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篠田博之の「週刊誌を読む」

離婚劇、メディアが決定打  私生活も商品、芸能人の宿命

 最近芸能マスコミを賑わせた話題といえば、藤原紀香と陣内智則の離婚劇だ。

 報道された経緯をたどると、昨年夏以来夫婦の間でくすぶってきた陣内の浮気問題で、三月一日に紀香が実家の親に「もう無理」と打ち明け、七日に夫婦双方の両親をまじえた話し合いが行われた。
 そこで陣内が激しく追及され、紀香の母親が判をついた離婚届を預かった。その後、紀香は仕事でケニアへ出発、陣内は帰国後再び話しあいを行うつもりだったという。
 ところが十九日のスポーツ紙一面に大きく「紀香離婚」が報じられてしまう。当日朝の日テレ系情報番組「ラジかるッ」に生出演した陣内は、この報道に驚き、まだ決まったわけではないと否定したが、そのコメントに紀香の母親が反発。翌日実際に離婚届けが提出されてしまう。

 とまあ、経緯はそういうことらしい。紀香本人が日本にいないという最終局面で、事態を決定づけるのにマスコミ報道が大きな役割を果たしたのが、この騒動の特徴だ。
 『週刊文春』『週刊新潮』各4月2日号によると、最初にスクープをつかんだのはスポーツ報知で、ネタ元は紀香の所属するバーニングプロダクションだった。同紙が十九日の紙面で報じることを決めた後、日刊スポーツとスポーツニッポンにも情報がもたらされ、三紙の同時一斉報道となったという。

 今回の騒動の背後で夫婦の関係者や、バーニング、吉本興業という双方の所属事務所がどう対応したか、その舞台裏を週刊誌は詳しく伝えている。
 この夫婦が二年前、結婚式のテレビ中継というメディアとの二人三脚で結婚したのはよく知られているが、離婚劇にもメディアが深く関わったわけだ。プライバシーそのものが商品化されるタレントの、それは宿命なのかもしれない。

 最後のダメ押しは、二十七日発売の『フライデー』4月10日号に掲載された、陣内の不倫相手だったという女性の告白とプライベート写真の公開だ。この女性は自分のほかにも不倫相手が何人もいた、などと暴露しているのだが、何もこんな時に当事者の傷をさらにえぐらなくても、と思ってしまう。
 メディアは残酷だ。

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