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篠田博之の「週刊誌を読む」

わかりにくい皇室報道 騒動続く記者会見舞台裏

 週刊誌の見出しだけ眺めると、この間、重大事件が次々と起きているかに見えるのが、皇太子周辺だ。
 「皇太子さま『会見打ち切り』で大紛糾」(女性セブン2月16日号)「皇太子さま悲痛な叫び!」(週刊女性3月10日号)「皇太子さま『誕生日会見』異変 報道されなかった空白の20分の裏側」(週刊朝日3月13日号)等々。 

 騒動の発端は、皇太子のベトナム訪問に先立って二月五日に行われた会見だった。始まって二十分が経過した時、進行役の東宮侍従が「予定の時間が過ぎました」と、会見を打ち切ったのだという。
 これに対し翌六日、宮内記者会が東宮職のトップである野村一成東宮大夫に抗議文を送り、東宮大夫が謝罪。さらに直後の定例会見で記者の東宮職への不満が爆発したという。

 その事件の約二週間後、二月二十日に行われたのが、皇太子の誕生会見(誕生日は二十三日)だった。『女性自身』3月10日号によると、会見は冒頭から緊張した雰囲気だったという。そして『週刊ポスト』3月13日号が「異例の事態」と書く出来事が起きたのは、会見終了後だった。  
 通常、記者と皇太子がオフレコの懇談を行うのだが、会見二十分後に会場に現れた皇太子は「一言申し上げたい」と、異例の追加会見を行ったのだという。発言内容は、雅子妃が「ひとつの公務に全力を傾けるため疲れが残ってしまい、次から次へと新しい公務をすることはまだ難しい」というものだった。
 これは、雅子妃がまだ公務出席が十分にできないことに対して週刊誌などが批判をしていることを意識したものなのだろう。オフレコの懇談でなく、敢えて報道が前提である会見の追加としたところに、皇太子の強い意思がうかがえる。

 いつも思うのだが、皇室をめぐる話はどうもわかりにくい。天皇家と皇太子夫妻の確執といった話が週刊誌で仰々しく伝えられるのだが、どこまで本当なのかわからない。ここで書いたような会見の舞台裏の話も、報道しているのはほとんど週刊誌だけだ。もう少し情報開示の仕方を考え、皇室で何が起きているのか、一般の市民にわかるようにすべきではないだろうか。

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