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篠田博之の「週刊誌を読む」

もうろう会見の余波 会食同席の女性記者標的

 中川昭一前財相のトンデモ会見騒動が波紋を広げている。
 十六日夜に自宅前で取材を受けた中川氏に夫人が「頑張れ~日本一~」と声をかけたのがテレビで放送されるや、ネットでは「バカ夫婦」などと叩かれ、この夫人が週刊誌などの標的になった。
 でもさすが政治家の妻だと思うのは、この夫人が各週刊誌の取材に応じてしっかりとコメントを出していることだ。「どんなことになっても、私たち家族は最後まで支えたい、というメッセージです」(週刊文春)。

 もうひとり標的にされたのは、問題の会見の当日と前夜、中川氏の会食に同席したという読売新聞の女性記者だ。前夜の会食には記者が四人いたというのだが、同席の事実を認めたのは彼女だけだ。
 『週刊朝日』3月6日号によると、この記者は日銀担当で財務省のクラブ所属ではないため、中川氏の取り巻き記者とは違うとか。言われているような政治家との癒着とは違うというので、同席の事実を認めたのだろう。
 もちろん実名を公表したわけではないのだが、『サンデー毎日』3月8日号が書いているように、ネット上ではこの記者の写真や実名が飛び交う騒ぎになっている。たまたま読売新聞社の採用関連のホームページに彼女が登場していたのだが、同社がそれを慌てて削除したことが逆に騒ぎを大きくしたらしい。
 中川氏は会見前夜の会食でワインを飲んでいたというから、本当は同席した記者たちがその様子を明かすべきだが、騒ぎはそういう本質と少しずれているようだ。週刊誌が「中川氏が気に入った『美人記者』」と書いているので、ネットでは、どんな女性か顔が見たいという好奇の的になったようなのだ。

 でも何かというと女性に「美人○○」という冠をつける悪習は改めた方がよい。『週刊朝日』など見出しが「"酔いどれ大臣"中川昭一 人妻美人記者との『ごっくん』」。「美人記者」の上に「人妻」という形容までつけている。この見出しはいただけないよ~。女性差別的だからというより、発想がオヤジ丸出しだ。
 女性編集長の『サンデー毎日』が、女性記者に同情的な記述をしていたのも興味深い。

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