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篠田博之の「週刊誌を読む」

長官発言 解釈いろいろ  確執、対立...皇室報道の真相は

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 十二月二十四日、宮内庁のホームページにこの間の週刊誌の皇室報道を「全くの誤報です」と批判する見解が発表された。週刊誌が大きく報じていた天皇家と東宮家の確執、あるいはそれに対応した宮内庁内部の対立といった見方を全面否定したものだ。

 発端は十二月十一日の羽毛田信吾宮内庁長官の会見だった。天皇夫妻の意向を説明したものだが、問題になったのはこの一節だ。
「妃殿下の適応障害の御病気との診断に関して『皇室そのものが妃殿下に対するストレスであって、御病気の原因ではないか』といった論がしばしばなされることに対し、両陛下は深く傷つかれた」
 長官自身はマスコミの論調を批判しようとしたのだが、皇室の環境が適応障害の原因という見解は雅子妃の医師団が〇五年に発表したもの。それを敢えて批判するのは、天皇家の皇太子夫妻に対する反発の表れ、と週刊誌は解釈したらしい。

 さらに彼らが注目したのは、翌十二日、今度は皇太子夫妻の世話係である野村一成東宮大夫が会見で、長官発言を受けてこう述べたことだ。「このような論に対しては、妃殿下御自身も深く傷つかれたことと思います」
大夫の真意は、雅子妃も長官と同じ思いだということだったらしいが、週刊誌はこれを長官発言に対する皇太子サイドからの反論、と理解したようだ。
『週刊新潮』12月25日号で、皇室ジャーナリスト松崎敏弥さんはこう語っている。「長官発言は陛下の皇太子に対する叱責であり、大夫発言は皇太子の宮内庁に対する反撃、否むしろ陛下に向けて発せられた言葉と見るべき」。この記事の見出しは「陛下と雅子妃のご病状を悪化させる『宮内庁・東宮戦争』」だ。
もっとすごい見出しが『週刊女性』1月1日号「『皇室から出ていけ!』雅子さまへの最後通告」。長官発言は「皇室から出て行け」と言っているようなものだというのだ。

 このほかにも多くの週刊誌が二つの会見を、天皇家と皇太子夫妻の確執と報じている。見出しを始め、いささか誇張気味との印象は否めないが、記事には専門家の証言も少なくない。真相は果たしてどうなのだろうか。

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