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篠田博之の「週刊誌を読む」

けじめ 茶の間は納得?                                                     また「不倫」スキャンダル

 山本モナ騒動に揺れたフジテレビでまたも「不倫」スキャンダルが勃発した。『週刊朝日』8月8日号「フジテレビ人気イケメンアナの『不倫』」で告発されたのは三十二歳の男性局アナだ。

 西日本で開かれた同局主催のイベントでコンパニオンを務めた女性をホテルに誘い、さらに東京で行われた同局の別のイベントのコンパニオンオーディションを受けてみるよう勧めた。そのイベントの司会者が男性アナで、オーディションの審査員も務めていた。つまり局アナの立場を利用して女性を口説いたというせこい話だ。

 男性アナというのは、テレビに出ている有名人であることを利用して女性を口説いたりしているのではないかという、世間の先入観をそのまんま実践した事例。しかも、局アナが他の女性も同様に口説いていることを知り、自分が遊ばれていたことに傷ついた女性が報復のために週刊誌にネタを持ち込んだという、絵に描いたような展開だ。それを巻頭トップに持ってくる『週刊朝日』の姿勢を含めて、何とも脱力もののスキャンダルなのである。

 このスキャンダルについては、男性アナがレギュラー番組で、お騒がせしたことを謝罪。モナ騒動ほど大事に至らず一件落着になりそうなのだが、半ば公人にあたる人がこういうプライベートな問題でどんなけじめをつけるべきかというのは、なかなか難しい問題だ。

 いまだにくすぶったままなのが、『フライデー』がスクープした、みずほコーポレート銀行頭取とテレビ東京女性記者の不倫騒動である。こちらはプライベートと仕事上の責任は別のことだ、と頭取が居直ってしまったのだが、騒動はなかなか収まらない。

 最近も『週刊ポスト』8月8日号が後追い記事を掲載したし、この間、幾つかの週刊誌がこの話を取り上げている。もともと銀行グループ内の派閥争いから仕掛けられたスキャンダルとされているだけに、このままでは納得しない勢力が存在するということなのだろう。

 でもいつも不思議に思うのだが、なぜ週刊誌やワイドショーはこういう話になると聖人君子に豹変し、「不倫」を悪とする「茶の間の倫理」を大上段に振りかざすのだろうか。