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篠田博之の「週刊誌を読む」

強面誌にコムスン広告/タイアップ終わり批判記事

 社民党・又市征治幹事 長の女性スキャンダルが話題になっている。火をつけたのは『週刊新潮』6月28日号「愛人マッサージ壌の告白!議員宿舎を『ラブホ』にしちゃった社民党又市幹事長」。

 選挙前に政治家のスキャンダルが流されることはよくある。今回の報道も又市氏は事実無根であり政治的陰謀だと非難、同誌発売の六月二十一日に三千三百万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を起こした。それに先立って十九日には同誌の出版差し止めを求める仮処分を申請したが、これは却下されたという。

 翌週の『週刊朝日』7月6日号は又市氏の反論を掲載。また『サンデー毎日』7月8日号も事の経緯を報じた。当の『週刊新潮』は7月5日号で「又市幹事長『愛人マッサージ醜聞』社民党の『政治的謀略』弁明を嗤う」と題して再批判。その中で、なぜこの時期にスキャンダルが流れたかについてこう書いている。「それは、まさに又市幹事長自身が、選挙前に女性スキャンダルが発覚することを恐れ、自己保身に走って彼女を切り捨てたからに他ならない」

 ちなみに又市氏は今年初めにもスキャンダルを流され、記事にした『週刊新潮』2月15日号に対して出版差し止めの仮処分を申請した。ただこの時は記事内容を確認しただけで取り下げたという。今回の報道が果たして参院選絡みの陰謀なのかそうでないのか。現時点ではよくわからない。

 ところで、その『週刊 新潮』について、『週刊現代』7月7日号が「『週刊新潮』がコムスンを批判できない理由」という記事を載せている。コムスン批判が週刊誌で大々的に始まった時、なぜか『週刊新潮』だけは当初沈黙を守った。実は同誌にはコムスンのタイアップ企画が五年以上も連載されていたという。

 それが姿を消した翌週の7月5日号には同誌もコムスン批判を掲載。確かに他誌に比べて出遅れた感は否めない。でも強面(こわもて)で知られた同誌がこういう話に登場するようになったのは時代の流れなのか。

 そういえばコムスンは「報道ステーション」「報道2001」「サンデープロジェクト」など、硬派番組のスポンサーだった。『週刊朝日』7月6日号は、二〇〇一年に約一億六千万円だったコムスンの広告予算が、昨年は約九億にまで増えていたと書いている。『週刊新潮』を含め強面のメディアへの広告出稿は、この会社なりのマスコミ対策だったのだろうか。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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