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NHK受信料督促裁判を考える

月刊『創』07年4月号①

この3月、NHK問題が大きな議論に
NHK受信料裁判で
超強力弁護団結成!
(月刊『創』07年4月号)

七瀬恭一郎[フリーライター]

 先月号でレポートした、NHKの受信料不払い者に対する法的督促に対し異議申し立てを行い民事訴訟に移行した青木雄一氏(仮名)の元へ、新たに「訴状に代わる準備書なるものが送られてきた。

 書面は2月19日付けでNHKが東京簡裁に提出したものの写しで、「準備書面」の他に「証拠説明書」と、証拠となる「日本放送協会放送受信規約概要」(甲第1号証)ならびに青木氏がサインしたとされる「放送受信契約書」(甲第2号証)などのコピーが添付されていた。

 「訴状に代わる準備書面」の内容は、前回送られてきた“督促状”に書かれていた「請求の趣旨および原因」(興味のある方は本誌3月号に掲載されている拙稿を参照していただきたい)とほぼ同じもので、特に変わった点などはないが、改めて訴訟代理人の欄に4人もの弁護士の名前が書き連ねられているのをまのあたりにすると、やはり強圧的な印象は否めない。今回、民事訴訟に移行した不払い者のほとんどが弁護士費用を捻出することができず、本人訴訟を余儀なくされているという状況を鑑みれば、これも不払い者に訴訟を断念させるための「脅し」以外のなにものでもないと言えるだろう(その後、さらに2月20日付で、これまでの請求額にカラー契約訪問集金4カ月分5580円を加算するという趣旨の「訴えの変更申立書」なるものが送られてきたという)。

 実際、2月23日に東京簡裁から東京地裁へ移送された民事訴訟の初公判が開かれたが、本人訴訟のため被告や代理人は出廷せず、答弁書のみが提出されている。裁判を傍聴したマスコミ関係者によれば、「NHK側がズラリと弁護士をそろえているのに対し、被告側の席は空っぽ……。被告は、契約時に集金人が説明義務などを怠ったとして、契約そのものの無効を訴えていくつもりのようですが、この先代理人なしでどこまで正当性を主張できるかは疑問です」

 とのことで、NHKほどの大組織を相手に、一個人が民事訴訟を闘っていくことが、いかに困難であるかが改めて浮き彫りになりつつあるようだ。

 NHKサイドは、そういった事情を十分承知した上で、「弱い者いじめ」とも言うべき法的督促を全国に押し広げようと画策しているが、先月号で行った本誌の呼び掛けに呼応して、NHKから法的督促を受けた不払い者を支援するための弁護団が結成されることになったので、ここに報告したい。

 弁護団の団長を務めるのは、NHK問題の第一人者と言われる梓澤和幸弁護士。それに飯田正剛、日隅一雄弁護士ら、この間NHK番組改変裁判に関わってきた面々で構成される超強力弁護団だ。3月には会見を開いて全容を披露することになろうが、NHK側もこの顔ぶれには驚くに違いない。冒頭の青木氏の弁護を皮切りに、現在、民事訴訟を闘っている被告だけではなく、法的督促に異議申し立てを考えている不払い者の連携を目指していく構えだ。悩んでいる該当者がいたら、ぜひとも本誌ホームページなどを経由してコンタクトをとってもらいたい。

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