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コラム「編集長の目」:第30回・反戦ビラ逆転判決と表現の自由

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 驚きました。きょうの立川反戦ビラ裁判での高裁逆転判決にです。
 夕刊で報道されているし、夜のニュースでも扱うでしょうから、ぜひ見て、考えてください。表現の自由をめぐって、この逆転有罪判決は、たぶん大きな意味を持つでしょう。日本もいよいよ、戦争反対のビラを巻くと逮捕されてしまう、そんな時代に入ったことになります。

 このところ「言論の自由」や「報道の自由」をめぐる様々な問題が一気に噴出しています。昨夜の「報道ステーション」では、オウム麻原元教祖の裁判をめぐる特集も面白かったけれど、もうひとつ、筑紫さんや鳥越さんらキャスターが共同会見した、犯罪被害者の氏名発表をめぐる問題も気になりました。

 この問題、これまで新聞が解説を書くだけで一般にはほとんど知られていませんが、報道機関にとってはすごく大きな事柄です。

 これについては11月25日の朝日新聞が「三者三論 犯罪被害者の氏名発表」と題して大きな特集記事を載せており、私もその三者の一人として自分の意見を述べています(読んでない人は図書館で読んでね)。もともと犯罪報道をめぐる匿名実名の問題というのは、「報道と人権」をめぐる根源的なテーマです。この機会に、報道志望の人はこの問題について考えてみてください。犯罪被害者をめぐる基本法成立へ向けて、まだこれから議論が続くはずです。

 そういえばきょうの立川ビラ裁判で傍聴券をとるために高裁前に並んでいたら、マス読実践講座の受講者に声をかけられました。マスコミ志望者の皆さん、筆記対策も大事ですが、現実に起こっているこういう問題に関心を持って、現場へ足を運ぶことも大切です。

 明日夜はNHK文化センターのマスコミ志望者向け講座があり、NHK関係者にまじって私も講師を務めます。いわゆるNHK問題は小泉政権そのものが関心を持つような大きな事態に至りつつありますが、その問題が講座でどんなふうに話されるのか、あるいは全く触れられないのか。またNHK志望の人たちはそれについてどう感じているのか。私はもう十数年にわたって講座の講師を務めていますが、今年は気になるところです。

 NHKを志望する人たち、当日飛込み参加も可能なので、もし時間があったら明日の講座に参加してみてください。詳細はこちらをクリックすればわかります。 http://www.nhk-cul.co.jp/school/aoyama/

 放送界が今どんな大変なことになろうとしているかについては、発売中の月刊『創』1月号の座談会を読んでください。これからマスコミに入ろうとしている人たちには、今のメディアをめぐる激動は、自分にも関わる問題としてぜひ考えてほしいと思います。                            (篠田)

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