篠田博之の「週刊誌を読む」
橋下徹市長率いる「維新の会」失速という報道
一時は国民の信頼を失った民主・自民に代わる救世主のように持ちあげられていた橋下徹氏率いる「維新の会」だが、ここへ来て新聞・週刊誌などが一斉に「急降下」「失速」などと報道。逆風が吹き荒れている。
根拠とされているのは九月に入ってからの世論調査だ。「橋下新党『急降下』の狼狽」といち早く報じた『アエラ』10月8日号によれば、フジテレビ「新報道2001」の調査で「次期衆院選での比例区投票先を『維新』と答えた人が9月13日の9・4%から、20日には4・8%へと半減」「全国紙の世論調査でも、毎日新聞では2桁の支持率があるものの、朝日、読売両紙では支持率は2~3%。民主、自民両党に水をあけられている」
同誌は「主な原因はやはり、橋下人気にあやかる人々の『雑多さ』だろう」と書いたうえで「維新が具体的な姿を現す前の『期待値』が高かった分、実像を見て失望が広まった」と分析している。
続いて『週刊新潮』10月11日号は「橋下徹失速報道に慌てふためく『B級軍団』集団パニック」と題して、既に維新の会の議員に、失速をめぐって動揺が生じていると報じた。
さらに『週刊ポスト』10月19日号は「橋下維新『大失速』の真相」という大特集を掲載。「ブレーン離反、内部紛争も」「人気上昇とともに生まれた『小欲』」「府政と国政の間での『迷い』」などと失速の原因を分析したうえで、これを突破するには橋下氏自身の出馬しかない、と書いている。
ただ、この「失速」については、世論調査の結果も新聞によって違うし、『SPA!』10月9・16日号のように、いまだに「『橋下維新の会』の恐るべき実力」などという特集を掲載している週刊誌もある。維新の会の評価は、媒体によってばらばらなのだ。
さらに『週刊現代』10月13日号は「維新の会」の失速を認めたうえで、それでも「安倍より、橋下のほうがマシ」と、表紙にまでぶちあげている。
橋下徹氏は、これまでテレビの取材に積極的に応じ、活字メディアとは距離を置いてきたと言われる。新聞・雑誌に俄かに噴出した「失速」報道に、どう対抗するのだろうか。
(月刊『創』編集長・篠田博之)
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