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篠田博之の「週刊誌を読む」

鴻池氏辞任に追い込む 「不倫旅行」新潮スクープ

 虚報事件で叩かれっぱなしだった『週刊新潮』が、政治家の女性スキャンダルという週刊誌らしいスクープを放った。5月21日号の「愛人同伴『ゴルフ&温泉』の小旅行でGWを謳歌した『鴻池官房副長官』涙目懺悔録」だ。表向きは「健康上の理由」だが、鴻池官房副長官辞任の原因がこのスキャンダルであることは明らかだ。

 鴻池氏はこの一月にも同誌に、二週にわたって同じ女性との不倫スキャンダルを報じられた。その時は苦しい言い訳で乗り切ったのだが、懲りもせず密会を重ねて再びターゲットにされたわけだ。しかも今回は新型インフルエンザ騒動の最中に、国家の危機管理にあたるべき人物が、熱海に不倫旅行をしていたというのだから、責任は免れないだろう。

 前回に続いて『週刊新潮』は隠し撮りした密会現場写真を掲載しているのだが、二人が訪れたホテルにあらかじめ張り込みをしているから、確実な情報を事前に把握していたわけだ。二人とも家庭を持ったダブル不倫だし、一度騒がれながらも関係を続けていたわけだから、恐らくどちらかの身内か関係者が危機感を感じて情報提供したのではないかと思う。

 それは記事を読んだ私の推測だが、鴻池氏自身も『週刊新潮』の取材に応じる代わりに情報源を教えろと記者に迫ったというから、身近な人から情報が漏れたのではないかと疑ったのだろう。結果的に週刊誌に連続して密会現場を押さえられたわけだから、この人には危機管理能力がなかったということだ。

 記事を読むと『週刊新潮』が周到にチームを組んで二人を追尾したことがわかる。虚報事件の名誉挽回と奮闘した様子がうかがえるスクープだ。

 ところで同誌の同じ号には、元タレントの田代まさしさんが先頃、私の創出版から著書『審判』を出版した記念イベントの潜入記も掲載されている。私も田代さんも取材に応じたのだが、掲載されたのは予想通りの冷笑記事だった。見出し「震える手『田代まさし』が口を糊する『失笑イラスト』」。

 薬物依存での服役を終えて悪戦苦闘中の人間を笑い者にするという報道には疑問を禁じえない。 

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