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篠田博之の「週刊誌を読む」

朝日襲撃手記の真偽は? 四面楚歌の「新潮」、結末に注目

 大丈夫なんだろうか『週刊新潮』は。「実名告白手記 私は朝日新聞『阪神支局』を襲撃した!」が、ほとんど四面楚歌状態だ。

 その信憑性に当の朝日新聞が疑問を呈したことは以前書いたが、読売新聞も二月十三日付で「『実行犯手記』広がる波紋」という大きな記事を掲載。手記に出てくる大物右翼の関係者や警察幹部のコメントを載せているのだが、多くがこの手記に懐疑的だ。
 週刊誌では『サンデー毎日』2月22日号が「『週刊新潮』朝日新聞襲撃犯への疑問の声」という記事を掲載。その中である右翼はこうコメントしている。「もしフェイク(作り話)であれば、『週刊新潮』は廃刊もあり得るでしょう」。

 二号にわたってこの手記を批判しているのは『週刊文春』だ。ライバル誌ゆえか批判にも熱がこもっている。特に2月19日号「週刊新潮『実名告白者』の正体」は強烈だ。
 実名告白を行った人物がかつて所属していた右翼団体の塾頭はこう言っている。「彼を知っている人間としては、『新潮』の手記はバカバカしくて、まともに相手にする気にさえなりません。あの人は空想と現実の区別がついていないんでしょう。根は悪い人間じゃないんですが、確かに言動が少しおかしかったこともありました」
 その告発者の元妻まで登場し、こうコメントしているのだ。「また何を言い出したんだろう、という感じですよ。あの人がこんな事件をできるわけないじゃないですか」

 疑問の声が多いことは告発者も気にしているようで、『週刊新潮』2月19日号の第三回手記にこう書いている。「私を『真犯人』と認めたくない"誰か"が虚偽情報を流しているんでしょうか。いずれにせよ、私は自分でやったことを証明するのがこれほど難しいとは思いもしませんでした」
 確かにこの手記に疑問点は多いのだが、しかし作り話にしては描写も細かく、できすぎている。襲撃を依頼したのがアメリカ大使館関係者だという話も、荒唐無稽にも思えるし、ありそうな話にも思える。もっぱら「信憑性はどうなのか」に関心が集中しているこの手記、さてどういう結末を迎えるのか。

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