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篠田博之の「週刊誌を読む」

共感 取材拒否と闘う宣言/人気タレント芸能活動休止

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 いいねえ、『週刊女性』10月31日号の表紙コピー「ジャニーズの真相が読めるのは本誌だけ!」。ジャニーズ事務所所属グループ「KAT- TUN」赤西仁の芸能活動休止を報じる見出しとともに掲げられたコピーだ。  
 
 今やSMAPと並ぶジャニーズの人気グループ「KAT-TUN」の赤西が芸能活動を休止し留学するという声明を突如発表したのは十月十二日。十三日の会見には大勢の芸能マスコミが押しかけた。人気絶頂のタレントが突然芸能活動休止ということで、当然様々な憶測が乱れ飛んだ。

「表向きの理由は語学留学だが、そんなことは誰も信じていない」「このままいけば赤西は芸能界追放」と報じたのは『週刊新潮』10月26日号。同誌を含めさまざまな週刊誌が報じた真相とは、同じグループで人気を二分する亀梨和也との確執、事務所との確執、あるいはファンや芸能マスコミに追い回される生活に疲れた、といったものだ。 

 ま、そのへんの真偽は定かでないのだが、ジャニーズ事務所といえば今や芸能界では飛ぶ鳥を落とす勢い。テレビを中心とした芸能マスコミではその批判はタブーとなっている。同事務所の怒りを買うと何年にもわたって取材拒否、出演拒否の報復にあう。で、そういう目にあっていることで知られるのが、『週刊女性』だ。

 女性週刊誌で、人気芸能事務所に一切の取材拒否を受けるというのは苦労もあるだろうが、同誌の答えが今回の表紙のコピーだ。タブーに屈さず真相が書けるのは本誌だけ、と取材拒否を逆手にとった宣言である。いいねえ、これ。ゲリラジャーナリズムを掲げる週刊誌らしい姿勢だ。

 話題転換。九月にマザーズに上場し、人気沸騰したミクシィだが、ここへきて株価が暴落。週刊誌でさんざんに書かれている。匿名の掲示板と違って実名登録の会員制なので安心というのがウリだったのだが、会員女性の全裸写真が流出し、しかも実名までさらされるという事件が発生した。『FLASH』10月31日号はさっそくこの事件を報じ、その全裸写真もボカシを入れながらもデカデカと掲載している。

「会員制を売り込むことが先だって、情報管理への対策がおろそかになってはいなかっただろうか」と指摘するのは『週刊朝日』10月27日号。記事の結びは「やっぱりネットは怖い?」。次々と驚くべきことが起こるのがネット社会だ。

東京新聞 2006.10.23掲載/メディア批評誌「創」編集長・篠田博之

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