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篠田博之の「週刊誌を読む」

キャスターの不倫騒動/一気に人気者「脇甘かった」?

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 前回本欄で紹介したTBS「ニュース23」女性キャスター山本モナさんと民主党の細野豪志議員の不倫スキャンダルが大騒動になっている。
 
『週刊文春』10月12日号は「山本モナ『NEWS23』イケメン代議士だけじゃない『不倫体質』」などと追い打ち。『週刊朝日』や『アエラ』も含め週刊誌が一斉に騒動に参入した。前号のスクープで火をつけた『フライデー』は、10月20日号で今度は同じ密会写真をカラーで掲載している。

 山本キャスターは心労のあまり体調を崩したとかで番組を休んでいる。10月改編で筑紫哲也さん以外のキャスターを一新した矢先の騒動で、TBSも頭を痛めていることだろう。

 前出『週刊文春』のコラムで評論家の宮崎哲弥さんがこう書いている。「フリーになって東京に出てきたモナを『アクセス』に誘ったのは何を隠そうこの私。彼女のステップアップに助力できたと喜んでいたら…いきなりスキャンダルが持ち上がってしまった」

 関西の朝日放送では以前から人気者だったという山本モナさん、東京へ出てきてTBSラジオ「アクセス」に出演、この秋「ニュース23」に抜擢された。今回の騒動は、大抜てきで一気にスターダムにのしあがった彼女に、必要な警戒心や自覚が伴っていなかったということだろう。8月下旬から『フライデー』に尾行され隠し撮りされていて気がつかなかったのは「脇が甘かった」としか言いようがない。

『アエラ』10月16日号で芸能レポーターの梨元勝さんがこうコメントしている。「マスコミの目にさらされているという意識が欠けているんでしょう。人気者になるということは、人の耳目を集めること。たとえばアメリカの女性キャスターがゴシップ写真を撮られたら、他局が足を引っ張る格好のネタになってしまいますよ」
 
 そういえば今回、テレビ朝日がこの騒動をワイドショーで大きく扱っていたのには驚いた。テレ朝自身、女性キャスターのスキャンダルでさんざん苦労したはずなのに、という理由だけでない。同局は同じ時期、元「TVのチカラ」プロデューサーの巨額使途不明金疑惑が問題になっていたからだ。他局の不倫騒動よりそっちの方が、解明されるべき深刻な問題だ。

「ニュース23」キャスターにデビューした山本さんは華やかで印象的だった。早期復帰を、と個人的には思う。   

東京新聞 2006.10.09掲載/メディア批評誌「創」編集長・篠田博之

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