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受信料拒否裁判、最高裁が上告棄却し敗訴が確定

 残念ながら5月31日に受信料拒否裁判で最高裁が上告棄却。東京と札幌の両方の裁判について決定が出ました。報道によると「2件の訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は男性側の上告をいずれも棄却する決定を出した。決定は5月31日付で、東京都内の2人に計約19万3700円、札幌市内の男性に約17万7000円の支払いを命じた2審判決(10年6月と同11月)が確定した。NHKが起こした同種訴訟で最高裁まで争われて確定するのは初めて」とのこと。受信料拒否裁判はひとつの大きな区切りを迎えたといえます。弁護団や被告当事者のコメントを含め、詳しい総括を含めて報告しようと思っているうちに、弁護団の中心メンバーだった日隅弁護士の病気も重なって、時間がたってしまいました。遅ればせながら『創』編集部としてコメントをしておきます。

 今回の決定についてはネットでも話題になり、様々な意見が書きこまれました。多いのは両裁判とも受信料契約の有効性が争点のひとつだったため、「受信料契約を結ばなければよかったのに」「契約を結んでおいて支払い拒否してもだめだ」という意見でした。ただ、このブログの最初の説明のところで書いたように、実は放送法で、テレビを持っている家庭は受信料支払いの義務があることがうたわれており、契約を結ばなければよいという簡単な話ではないのです。

 東京の裁判では、契約の有効性だけでなく、この放送法に決められた受信料支払い義務そのものについて争ったわけです。結果的に裁判所によって、契約が成立していることが認定されてしまったのですが、実態は契約といっても領収書が契約書も兼ねているため、一度集金人に金を払ってしまうと、視聴者が契約したという認識のないまま契約したことになってしまうというのが現状です。

 東京の裁判は、こういう契約のシステムだけでなく、放送法の規定、さらには今の受信料システム自体が憲法違反かどうかを争ったものですが、裁判所は憲法判断についてはあまり踏み込みませんでした。今回の最高裁判決は、受信料問題に大きな意味を持つのは確かとはいえ、札幌の裁判が1審はNHK側の敗訴になったことでもわかるように、実際は解釈が分かれる部分もあり、今後も様々なケースで裁判が行われる可能性があります。

 一応裁判も集結したので、このブログは閉じようかと思ったのですが、実はその後も、いろいろな問い合わせが届いており、全国で裁判を行っている支払い拒否者は少なくないようです。ですから、このサイトはもう少し存続させることにしました。

 ネットでは、裁判になったケースについて、「どうして特定のケースだけ裁判になっているの?」という書き込みもありますが、これもこのブログを丹念に読み返していただくとわかります。もともとは受信料支払い拒否が増えたのに頭を痛めたNHKが、支払い拒否者を次々と法的措置に訴えるというのを全国で展開し始めたのがきっかけです。大半の人は、裁判所から通知を受けたりした段階で、お金を支払ってしまうのですが、なかにはそういう強制的なやり方も含めて反発し、途中で妥協せず「敢えて裁判を受けてたつ」人が出たのです。

 支払い拒否をしている人のなかには、NHKの不祥事などに怒って意識的に不払いを始めた人も少なくないため、目先の損得を抜きにして裁判で争う道を選んだ人が各地に出現したのでした。ですから、この裁判は、そのプロセスのなかで、多くの人があまり意識したことのない受信料制度について改めて議論し、考えてみることに価値があるのです。このブログを立ち上げたのも、そういう意図からでした。

 現在も裁判を続けている人からのメールもいまだに届いており、今後もいろいろな事例をさしつかえない範囲で紹介します。また、確定した裁判については、弁護団を入れてきちんと総括する必要があります。これはもしかすると月刊『創』(つくる)の誌上で行うかもしれません。

 なお弁護団長の梓澤さんが東京の裁判の過程で1審判決について自身のブログで論及しています。参考にしてください。
http://www.azusawa.jp/comit/20091219.html

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