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NHK受信料督促裁判を考える

受信料拒否裁判 4月8日口頭弁論が開かれました

 いつものように東京地裁709法廷で弁論が行われました。原告・被告双方とも5人の代理人(弁護士)で、既に提出された準備書面の補足が行われました。

 争点は、公共放送のあり方をめぐってで、政治介入や不祥事といったことについてNHK側 は受信料支払い者に対して説明責任を含む責務を負っているはずだとの弁護団の主張に対して、NHKはその責務は負っておらず「公法上の義務」を負うだけだという主張です。つまり弁護団としては、公共放送というのは市民に支えられているはずで、その市民にある種の義務を負うという考え方(私法上の義務)、公共放送とはそういうものだという主張ですが、そこにNHK側は不同意で、それをめぐる双方の主張が今、闘わされているわけです。

 それに加えて次回以降、争点になるのは、具体的な契約上の事実関係について。例えば 被告の一人は受信契約書にサインしておらず(妻がサイン)、これが契約として有効かどうかが争点のひとつになるのですが、そういう個別具体的な問題についての争いを次回から展開することになりました。

 次回は弁護団とNHK双方の代理人同士のやりとりですが、その次くらいにこの裁判のクライマックスである、被告の証言、つまり具体的に受信料支払い拒否をしている人が直接法廷で証言することになります。

 そのほか、弁護団は服部孝章立教大教授を証人申請しましたが、裁判長はあまり乗り気でないようで、これはどうも次回、却下になりそうです。

 今回も傍聴席には双方の関係者が座りましたが、共同通信や産経新聞など大手マスコミの記者も来ていました。いよいよ裁判はクライマックスを迎えるとあって、マスコミも取材に入り出したようです。

 それから今回、初めて傍聴に来たという女性がいて、閉廷後話をしたのですが、きょうの裁判は『週刊金曜日』で日程を知ったということでした。自分も支払い拒否をしていて、法的督促が届いたら裁判を受けて立つと言ってました。ただ弁護士さんたちの判断では、こういう自分の信念を持って支払い拒否をする人についてはNHK側は相手にしたくないと思っており、恐らく法的督促をかけてこないのでは、ということでした。

 閉廷後、今回も大阪からわざわざ傍聴に訪れた元NHK告発者でもある立花さんら関係者と話をしました。この裁判が特定の関係者だけの問題として進められている現状を憂え、もう少し多くの市民が関われるようにするにはどうしたらよいかという話も出ました。立花さんは、それはNHKから裁判を起こされるのを待っているのでなく、自分から裁判を起こせばよい、自分が手伝ってあげる、と言っていたのですが、もしそれができるなら、好都合です。また今回初めて傍聴した女性は、このサイトのことも知らなかったので、今やっていることのPRも含めて、もう少し広い議論を作れないかという課題も出されました。

 そこで帰社後すぐに『週刊金曜日』の北村編集長に電話をし、協力を要請しました。同誌は読者会などもやっていて、市民的議論を作っていくといった環境もあるので、ぜひこの問題に取り組んでもらえませんかというと、北村編集長は快諾。同誌としてもNHK問題には取り組みたいと思っていたとのこと。

 裁判がいよいよクライマックスにさしかかることもあり、このサイトも含めて、もっと多くの人が一緒に議論できる態勢を作っていきたいと思います。幸いこのサイトには、今裁判を続けている被告も含めて、NHKに対する疑問を抱いている人が多くアクセスしてくれており、討論の場を作ることも含めて、公共放送NHKについて一緒に考えていくという機能をもう少し充実させたいと思います。

 そういえばこのサイトを見て先月頃電話をいただいた女性が、最初に集金人が来た時、ドアに足を突っ込んで閉めさせないようにしたなど傍若無人ぶりに腹が立ち、NHKを許せないと支払い拒否をしていると語っていました。こういう人も含めて、全国にいるであろう「NHKを許せない!」という人たちがもっと情報の共有や議論できる場をどうやって作ったらよいか思案中です。

 『週刊金曜日』と月刊『創』双方の編集者が知恵を出しあって、なにか提案したいと 思いますので、ぜひご協力下さい。

 なお次回弁論期日は5月27日10時から709法廷となりました。もし可能なら、もっと多くの人が傍聴に訪れ、法廷の後にでも集まる機会が作れればよいかなと思います。    

(文責・篠田博之=『創』編集長)

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