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編集長の目

講談社社長の死

 昨夜は月刊『創』の校了で編集部は徹夜。疲れました。地震の影響で執筆者も大変で、作家の柳美里さんや精神科医の香山リカさんら連載陣は明け方近くまでがんばって原稿を書いてくれました。佐藤優さんも原稿が届いた時間が一昨日朝の5時でした。
そんな疲れ切ったところへ講談社の野間佐和子社長死去の知らせがファックスで。この2月に息子に社長の座を譲ることを決めた矢先でした。
 講談社社長が女性であることを知らなかった人もいるでしょう。実はこれにはわけがあって、彼女は元々出版人ではなかったのですが、前社長の夫が若くして死去したため、その後を継いだのです。つまり講談社社長は野間家という一族の世襲なのです。同様に新潮社は佐藤家、小学館は相賀家の世襲。大手出版社の社長がこんなふうに一族の世襲によって受け継がれていることを意外と思う人もいるでしょうね。メディア界って意外と古い体質を抱え持っているものなのです。
 講談社はトップの交代によって、役員も若返りました。若社長はデジタル化と映像化に積極的なようで、講談社の方向性も少し変わることになるかもしれません。ちなみに昨夜校了した『創』次号の特集は「マンガ市場の変貌」。マンガ志望の人は必読です。(篠田博之)

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