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編集長の目

東北と九州から

 7月19日、大阪で開催された和歌山カレー事件の集会に参加しました。会場で声をかけてきたのが、昨年のマス読夏期実践講座の受講者でした。栃木で運転手をしながらマスコミをめざしていた既卒男性です。会うのは1年ぶりで、「やあ、今どうしてるの?」と訊くと、今なお運転手をしながらジャーナリストをめざしているとのこと。先ごろ死刑判決を受けた林眞須美死刑囚のことが気になってわざわざ集会に来てみたということでした。カメラマンをめざしているとのことで、自分で買ったという高そうなカメラを持参していました。

 こんなふうに既卒でマスコミをめざしている人はたくさんいます。
 前々回のメルマガでマス読夏期実践講座には、遠方から受講しにくる人がいることを伝えたところ、早速今年も東北大学と鹿児島大学の人が応募してくれました。遠方からわざわざ来てくれるのはうれしいのですが、同時に、受講料よりはるかに高い交通費をかけてやってくることに対しては恐縮するばかりです。
 例年、夏期講座では、旧オウム教団を訪問し、あとで作文にまとめるというフィールドワークをしているのですが、今年は「光の輪」と「アーレフ」という分派した両派をどちらも訪問することにしました。前者はあの上祐氏が率いており、後者はあの荒木広報部長がいる団体です。
 オウム訪問は、マスコミ報道で叩かれ、「非国民」扱いされている側からの声を直接聞いて現実を見、報道のあり方について考えてみようという企画です。昨年、ちょうど教団から帰ろうとした時に反対運動をやっている住民と遭遇し、受講者が何とオウム関係者と間違えられて罵声を浴びるという体験をしました。ショックを受けた学生もいたようですが、貴重な体験でした。

 報道する者にとって、報道される側のことに常に想像力を働かすのが大切だとよく言われますが、実際にはその立場に身を置いてみないとなかなか想像することは困難です。オウム訪問はその意味で、報道やジャーナリズムについて考えるのには格好の機会です。
 その他、秋葉原事件現場訪問やら8・15靖国神社訪問など、盛り沢山の内容です。ぜひ多くの人に参加してほしいと思います。先着順に締め切るので、希望者はできるだけ早くエントリーしてください。    (篠田博之)

夏季実践講座の詳細はこちら
http://www.tsukuru.co.jp/masudoku/kouza/kakijissen.html

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