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コラム「編集長の目」・第6回 言論テロへの反応 2006/11/2

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 月刊『創』11月号で「言論テロとナショナリズム」を特集し、また依頼されて朝日新聞社発行の雑誌『論座』にも右翼の言論テロに関する原稿を書いたため、最近そのテーマに関する他のマスコミからの取材が増えた。

 今週も月曜日にイギリスのテレビ局が取材に来たのだが、ドアを開けるといきなりカメラを回していて、驚いた。海外のメディアは通訳をまじえてで時間がかかるし、コメントが正確に伝わるか不安なのであまり受けていないのだが、この日の取材は、イギリスのテレビ局の手法もわかったし、面白かった。

 でも最近の日本におけるナショナリズムの昂揚、右傾化といわれる動きは、海外でも関心を呼んでいるらしい。唯一の被爆国なのに核保有論議が出ている、という話になっているわけだから、関心を呼んで当然なのだろうが。

 そのほかきょうはNHKの取材を受けたし、来週は朝日ニュースターの番組に出演する(放送は18日 夜10時~)。おかしいのは、これトーク番組なのだが、司会役が何と政治 家の加藤紘一。つまり放火テロにあった加藤代議士本人が、ゲストに私のようなメディアの人間を呼んで言論テロについて意見をかわすという企画なのだ(もう一人のゲストは鈴木邦男さんらしい)。

 一方で、このところ改憲反対・教育基本法改正反対のシンポジウムも目白押しなのだが、気になるのはこういうテーマの集会に参加しているのが戦争世代が多く、若い人の姿をほとんど見ないこと。ときたまこのメルマガで紹介すると読者が参加していたりするが、でももし報道志望の人だったら、こういう集会に足を運んでみるのは必要じゃないだろうか。作文練習とか受験参考書を読むのも必要だとは思うけれど、本来、ジャーナリストをめざすのであればそういう受験勉強よりもっと大切なものがあるように思うのだけれど。

                       (篠田博之)

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