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2021年7月アーカイブ

 NHK「あさイチ」のキャスターから突然退職して姿を消した近江友里恵アナウンサーについては、退職理由がいろいろ噂されてきた。前任の有働アナウンサーがフリーアナに転職したこともあって(今は日テレ系の「ニュースZERO」キャスター)、フリーになるのではという見方が多かったのだが、このたび本人が毎日新聞のインタビューに登場。実は三井物産への転職だったことを明らかにした。

 https://mainichi.jp/articles/20210331/k00/00m/040/306000c

NHKを辞めたワケ 近江友里恵さん、心に刻まれた隈研吾さんの言葉/毎日新聞 (mainichi.jp)

  これを読んで「え?」と思った人も多かったろうと思う。NHKアナウンサーと言えば、マスコミの中でも花形として知られる存在で、昔は内定が出た時点で地元の街じゅうの話題になった。それを一番油がのった時期に辞めて一般企業へ、しかも街づくりをやりたいのでという理由だ。職業というものの捉え方が、一昔前と変わりつつあることの象徴のような気がする。同時にこれは、「超人気のマスコミ」というイメージの変化でもあるかもしれない。

 かつて就職人気ランキングの上位を独占していたマスコミが相対的に地位を落としている傾向はこの10年ほど顕著になりつつある。それは端的に応募者数の減少となって現れているのだが、ただコアとなる志望者数は変わっておらず、昔はたくさんいた「憧れ受験」の数が減っただけとも言える。このメルマガの読者である、マスコミをめざす人たちは、この近江アナの転職について、どう感じるだろうか