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編集長の目

映像表現をめざす人へ

 昨日のマス読ライブ映画映像編も、北海道や鹿児島から参加した人もおり、打ち上げではみなが思いを熱く語っていました。ライブでも話しましたが、この映画映像という分野は、今大きく変化しつつある業種です。従来の狭義の映画会社に限定すれば採用数は極めて小さいのですが、今は邦画ブームとあって様々な会社が映画に参入しつつあります。「ALWAYS~」の続編で話題になっているロボットも、元はといえば広告制作会社でした。番組製作と広告制作の会社として知られる東北新社も次々と映画を手がけています。出版社だって小学館が神保町に映画館を建ててしまう時代で、出版社の映画
への取り組みも拡大の一途をたどっています。avexだって今や音楽だけでなく映画の会社でもあります。
 そんな時代だからこそ、自分は何をやりたいのかよく考え、どこをどう受験したらよいのかできるだけ調べていただきたいのです。以前からよく言ってきましたが、まず「映画を作りたいのか」「映画会社に入りたいのか」どっちなのかを考えてほしい。東宝、東映など日本の映画会社が永らくほとんど自社製作をやらなかった時代には、この2つは全く別のことだったのです(最近は邦画ブームで自社製作も増え様変わりしていますが)。  
 それとの関わりで言うと、月刊『創』2月号に、あの大島渚監督の息子の大島新さんが今度劇場映画に初めて挑戦したというので登場していますが、彼がなぜフジテレビをわざわざ退社してフリーのドキュメンタリストになったのか、そのあたりもぜひ読んで考えてみてください。
 昨年夏に公開された「ひめゆり」というドキュメンタリー映画を作った監督も、NHKで沖縄をテーマに仕事をしていたディレクターで、わざわざNHKをやめて戦争や沖縄というテーマに本格的に取り組んだものです。企業の社員であることと、表現者でありたいという思いは、時として両立しない場合もある、ということを映画志望者は考えてみてもよい気がします。 
                           

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