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 コラム「編集長の目」第10回・現代雑誌事情

 朝日新聞が3回にわたって取り上げた連載記事「現代雑誌事情 読めない明日」は、い ろいろな反響を呼びおこしたようだ。3回のうち2回に私のコメントが載っているように、これは同紙文化部の記者が昨年、取材に来たものだ。全体としてポイントをついているし、第1回めで雑誌がどんなに落ち込んでいるかをやや衝撃的に紹介したりと、なかなかよく書けた記事だと思う。

 もっとも、発売中の『週刊新潮』はこれを槍玉にあげ、売れない週刊誌として出版社系だけをあげ、『週刊朝日』の落ち込みを書いていないのは朝日特有の独善性だとかみついている。まあでもこの批判記事を含め、こういうテーマの記事でこれだけ反響が広がるのは、やはり朝日ならではだろう。出版・新聞をめざす人にはぜひこの連載記事を読んでおくことをお勧めしたい。第1回が2月1日付、2回・3回が6日7日に掲載された。

ちなみに前述した『週刊新潮』の記事の見出しは「3年先は地獄 落ち込み朝日新聞の明日は」というものすごいものだ。いささか極端に書きすぎてはいるが、今の新聞に構造的問題があることを指摘している点は参考になる。新聞も出版もテレビも、そして発売中の『創』で書いているように広告界も含めてマスメディアが今大きな曲がり角を迎えているのは確実だ。

 きょうから『創』次号の新聞特集の取材で新聞社に通っているが、話を聞くたびにその感を強くする。例えば朝日が掲げてきた「ジャーナリズム宣言」のCMが例の盗用問題で全面ストップになってしまったことなど(CM枠は買い取っているものの、今さら「ジャーナリズム宣言」というのもみっともなくて、CMを流せないという状況だ)、朝日の幹部にとっては大きな衝撃といってよいだろう。そうした取材過程でのエピソードなど、さしつかえな
い範囲で今後この欄で紹介していくことにしよう。      
                            (篠田博之)

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