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コラム「編集長の目」第39回:メディア業界の変容

 最近、コメント取材の依頼が多い。いま発売中の『サンデー毎日』には、朝日社長の息子の逮捕について、その前には朝日新聞本紙で民主党メール問題について、さらに明日の東京新聞には小林薫の『創』の手記について、はたまた今後の掲載は、自費出版の会社の倒産事件についてのコメント(東京新聞)、新聞のコラムについて(『サイゾー』)と続く。今週に限ってもほぼ連日、取材が入っていた。

 またこの数日の間に、私が宮崎勤に特別接見したというニュースがあちこちに載って、日経新聞見ましたよとか、時事通信の配信見ましたとか、いろいろな人に言われた。

 自分も同業者なので基本的に他のメディアからの取材依頼は断らないようにしている。でも、テレビの取材などやたら時間をとられるわりに放送されるのはわずか。へたをするとニュースが多くてそのネタが飛んでしまったりする。難しいものだ。

 さて、最近は5月発売の『創』のマンガ特集の取材に忙殺されている。連日、小学館・ 集英社と講談社の間を行ったり来たり。日本のマンガの大半はこの3社の手になるというほど寡占化が進んでいるのがマンガ市場の特徴だ。

 でもこういう取材をしていて痛感するのは、出版界が急速に様変わりしていること。メディアミックスというのもやや古い言い方で、いまや出版・テレビ・ネットといったメディア間の垣根を超えたコンテンツビジネスがいろいろな形で進行している。

 そうした業界の変容は、きょう発売された『創』5月号の「いま話題の出版社」で取り上げた角川書店や日経BP社でも顕著だ。角川グループなど、いまやこれを出版という枠組で捉えることは不可能といってよい。

 出版をめざす人たちにもそういう問題を考えていってほしいと思う。『創』はもちろんマスコミ就職に役に立つのだが、狭い意味での業界誌とは異なる作り方をしているつもりだ。

 話は変わるが、来年度志望者へ向けた大学就職課のガイダンスの講師依頼が次々と来ている。来年へ向けた動きが始まったわけだ。早いものだ。光陰矢の如し。

 さらに話は変わるが、新宿武蔵野館で上映している映画「ホテル・ルワンダ」はお薦め。久々に映画館で泣いてしまった。     
                                                               (篠田博之)

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