民放の採用早期化を受けてNHKも様々な事前対応をしています

 マスコミ全体が採用早期化を進める中で、対応の仕方に2つの流れがあります。

ひとつはテレビ朝日やTBSのように2022年度採用試験と銘打って選考を行うもの。

いまや準キー局も含めてテレビ局は大体この動きになっています。それに対して新聞社は、前回紹介した読売新聞のように、採用試験と明記せず、インターンシップを利用して選考を行っていく会社と、日本経済新聞社のように第1回採用

試験、第2回~と定期採用試験であることを明示して行う会社とがあります。それぞれの会社の考え方の違いによるものですね。

 そして民放に対してNHKはどうかというと、公共放送という性格もあって、かつての経団連ガイドラインをあくまでも守るという方針。正式な選考は6月1日からなのです。でもそうやっていたら、民放に優秀な人材をとられてしまう。

 ということで、NHKも実は水面下で様々な動きをしています。基本はインターンシップ受講者に呼び出しをかけていくというやり方です。民放などの内定を得た者は、NHKが第一志望でも、就活を終えてしまう人もいるため、NHKの人事部が接触してぜひNHKを受けるようフォローしていくわけです。

 でもフォローと言っても受験者にとっては民放などの内々定を蹴ってでもNHKの試験を待つべきかどうか、当然迷いは生じます。そこでNHKは、選考に準ずるようなことをやって、内々定に近い言質を、人によっては出したりしています。

 具体的には、2021年度採用の場合は、2月の冬インターンの受講者に接触し、3月初めに人事面談、4月初めに人事部長面談、半ばに役員面談を行っていました。

 その後、6月に至るまでの間にも、5月半ばに面談、最終週の土日に役員面談を実施。正規に発表されている6月からの正規試験の前に、実はかなりの受験者と接触しています。何しろ3年生を対象に10月から試験を始めるテレビ局と比べて約半年間のギャップがあるわけで、当然いろいろなことを考えなければならないわけです。引き続き次回は他の会社の事前接触も紹介していきましょう。