月刊「創」ブログ
狂気の作家・見沢知廉を描いた映画「天皇ごっこ」公開!
2005年に投身自殺した作家・見沢知廉さんを描いた映画「天皇ごっこ 見沢知廉・たった一人の革命」が10月29日から新宿のK's cinemaで上映されています。
http://www.ks-cinema.com/map.html
見沢さんは最初、ブントの戦旗派に加わりながら、途中で右翼に転向。一水会に属するのですが、そこで仲間を公安のスパイと疑い査問中に死亡させ、千葉刑務所に長期服役。その間に小説を書いて才能を認められ、出所後作家に転身しました。新潮社の三島文学賞にノミネートもされました。そして投身自殺という壮絶な最期をとげたものです。
その狂気と正気の間をさまようような生き方を描いたのが今回の映画ですが、基本的にはドキュメントですが、一部フィクションをまじえるという独特の作風です。これは制作にあたった大浦信行監督の手法です。で、この大浦さんが知る人ぞ知る存在。90年代に富山で昭和天皇をコラージュにした版画「遠近を抱えて」が右翼団体の猛攻撃を受けて大変な騒ぎになったのですが、その作者なのです。右翼にとっては天敵のような人なのですが、今回の映画を見れば、この大浦さんの天皇観も、右翼・左翼といった政治的なものでないでないことがわかります。今回の映画には右翼もたくさん登場しており、見沢さんの天皇観を通じて、大浦さんの考えを表現した作品です。
公式サイトhttp://www.tenno-gokko.com/
ドキュメンタリーとしても迫力ある映画ですし、エンタテイメント性もあります。ドキュメント映画としては異例の一般館でのロードショーとなったのもそのためです。興味のある方はぜひ足を運んではどうでしょう。休日と週末には毎回監督のトークショーも行われており、これが毎回大盛況のようです。5日(土曜日)の夜のトークショーには私・篠田がゲストを務めます。ぜひ来てください。
この映画については、『創』11月号で「狂気と隣り合わせの作家・見沢知廉を描いた映画」と題して、大浦監督と鈴木邦男さん、雨宮処凛さんの鼎談を掲載しましたが、それを先頃ヤフーニュースに公開しました。こちらもぜひご覧下さい。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111018-00000302-tsukuru-peo
日野不倫殺人事件の24年目の現実
1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。 200円(税込)
2018年5・6月号 マンガ市場の変貌
◆『コロコロコミック』『ちゃお』
児童誌のゲーム、アニメとの連動
◆『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』
少年マンガ誌三者三様の行方
◆集英社が『マンガMee』立ち上げ
女性マンガの映像化とデジタル化
◆『空母いぶき』『キングダム』など期待作が
実写映画で青年マンガに期待
◆LINEマンガ含め各社のデジタルコミックの現状は
拡大するマンガのデジタルとライツ
◆フジテレビ、テレビ東京のアニメ戦略とは...
アニメ市場拡大とテレビ局アニメ戦略
◆『「なろう系」と呼ばれるweb上の小説のコミカライズ
コミカライズとKADOKAWAの戦略
◆「海賊版」をめぐる迷走の内幕
「暴走」の末に頓挫した海賊版対策......川本裕司
◇寝屋川中学生殺害事件被告手記(続)
死刑を宣告された私の近況と逮捕をめぐる経緯......山田浩二
◇『DAYS』性暴力事件をめぐる経過報告
『DAYS JAPAN』広河隆一さんの性暴力問題を考える......篠田博之
◇被害から25年目の今、性犯罪受刑者との対話を望む
性暴力被害者の私が、なぜ加害者との対話を求めるのか......にのみやさをり
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